元看護師で那覇市の新垣星子さん(83)が、ベートーベン作曲の交響曲第9番合唱付き(第九)の合唱に参加して今年で34年。がんを克服しながら毎年歌い続け、県外、海外にも遠征してきた。28日の琉球大学管弦楽団の「第九」演奏会でも歌う予定で、92回目を数える。目指すは100回を超えること。今後も自身を支え、平和を希求する「歓喜の歌」に挑み続ける。

「第九」合唱の魅力を語る新垣星子さん=22日、那覇市内

 新垣さんは1933年フィリピン生まれ。漁業者の父とフィリピン人の母とともに戦後、父の故郷平安座島へ移り、二十歳前に看護師になった。

 県立病院勤務時代の1983年、音楽家の弟や妹に誘われ第九に初参加。中学時代にオルガンを弾いて妹と一緒に歌うなど幼少から音楽好きで、第九も「心を一つにいいハーモニーで歌えたときは格別」と語る。

 98年からは東京国技館で5千人で歌う第九コンサートにも参加。以来、豪州シドニーのオペラハウス、中国北京、米国ニューヨークのカーネギーホールなど国内外で第九を歌い、多い年は年間8回も歌ってきた。

 一方で86年以来、乳がんなどで3度の手術を受けたが、抗がん剤治療の影響で髪の毛が抜けても「私は負けない。来年も歌う」と毎年欠かさず出演してきたことが自信につながっている。「指揮者、ソリスト、合唱団も毎回異なり、音楽の表現は人それぞれだが、平和に対する思いを感じる」と新垣さん。沖縄こども未来プロジェクトに協賛した今回も「若い人がいいことを考えた。これを機会に演奏も心も成長させてほしい」と願う。

 合同練習した23日は最初の手術日からちょうど30年。「年とともに体もいうことを聞かないが、健康に気を付け、できるだけ続けたい」と来年2月の公演も歌う考えだ。

■28日宜野湾で演奏会

 琉大管弦楽団「第九」演奏会(共催・沖縄タイムス社、琉球放送)は28日午後7時から宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で。前売り券は大人2500円、大学生以下1500円(当日は300円増し)。問い合わせは沖縄タイムス社文化事業局、電話098(860)3588。

「第九」合唱の魅力を語る新垣星子さん=22日、那覇市内