大弦小弦

[大弦小弦]監視社会へ。歯車がまた一つ…

2016年12月26日 07:00

 監視社会へ。歯車がまた一つ、静かに回った。今月、捜査当局が電話やメールを通信傍受(盗聴)できる範囲が広がった。対象犯罪に「組織性が疑われる」傷害などが加わり、4種類から13種類に増えた

▼高江ヘリパッド抗議行動でも、複数が傷害容疑で逮捕された。今後、当局が「組織性」を疑えば関係者の盗聴が可能になる。運動の情報も集めるかもしれない

▼「私は大丈夫」とは言い切れない。盗聴される人と電話やメールをやりとりした、あるいは同席した経験があれば、何もしなくても対象になり得る

▼夏に発覚した大分県警別府署の盗撮は示唆的だった。参院選で野党を推す労組施設に警察官が侵入し、隠しカメラを仕掛けた。だが「現場の暴走」として幕引きに。カメラは今後も「適切」に使うという

▼この労組出身の大分県議に会う機会があった。盗撮映像に映った自分を見た時は驚いたという。「普通に生活していて対象にされた。ちょっと怖い」

▼もっと怖い話もある。その後、自宅にかすかな異変があった時、妻から「うちにも警察みたいなカメラを付けたら?」と提案されたのだという。私たちは監視し、されることに慣れてしまい、自ら自由を手放そうとしてはいないか。今回の範囲拡大も、盗聴導入が決まった17年前に比べて怖いくらい議論にならなかった。(阿部岳)

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