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てい子トゥーシーのユンタクハンタク(34)同化政策と「NIMBY」

2016年12月26日 19:23

 「大衆の多くは無知で愚かである。人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ」。ナチズム(人種主義的思想)の独裁者ヒットラーが彼の部下たちに語った。私の孫息子(現在27歳)が高校1年(日本の中3)の時に、歴史で習ったと話してくれた。

名護市安部の海岸に墜落し大破したオスプレイ=14日午後3時24分(本社チャーターヘリから金城健太撮影)

 最近14歳と12歳の孫娘たちに米国の歴史について聞いてみると「小学1年から Constitution(憲法)が紹介され歴史を習うのよ」と2人同じことを言う。「人種問題も習うの」と聞くと「もちろん」とそろって返ってきた。

 権利・自由・民主主義を自由に語る孫たち。私は自分の成長期を考えた。先祖を認識しながら島で成人になったが、戦で犠牲になった島・琉球の資料などなく、長老たちからの伝承のみが主な手段だった。

 琉球王朝時代の民族の誇りや自覚、意識が、我々の義務教育の中にあっただろうか? 琉球の芸能文化を先人の尊厳として認識していただろうか? 自由にしまくとぅばで会話していただろうか? 現実はその逆だった。それこそ1907年から50年頃まで強制された「愚民政策」とも言われる同化の一つは「方言札」だ。人の自由自在な言葉に罰礼を加えることは、舌を切断するのと同じだ。恐怖で自然に無口になり、アイデンティティーは希薄になり主張力に欠けていく。

 戦時中の恐怖心と終戦後の萎縮した社会風潮の中、それを不自然とも感じず、問題提起もせずに生き延びてきた。戦前から多くのシマンチュは強制的に洗脳されてきた。琉球人の尊重されるべきアイデンティティーは傷つけられ、破壊され、消滅までに至ったと言ってもいい。

 同化政策の期間に人材育成された我々の祖先や、その世代から生まれた子孫。中にはしまくとぅばが話せないことをむしろ自慢げに話す若者たちと対話したことがある。一方で「クトゥバ ワシネー、国ンワシユン」(言葉を忘れると国を忘れる)というクガニクトゥバ(黄金言葉)があり、しまくとぅば復興や継承、普及の動きがあることも知った。

 最近の基地関連の問題も考えると、結局は「他都道府県からの“NIMBY”(Not In My Backyard=私の裏庭には駄目だ)の態度で“Give it to Okinawa”(沖縄へ)との結果」が加重負担を招いている。

 普天間飛行場を返還し辺野古に新基地を造るという国の強行は、近代的な独裁主義と変わりない。北部訓練場の過半返還などは、日米両政府のCondescending(恩着せがましい)現状であろう。まさしく「ウチナ~、うせ~てないんびらんど~!」。

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