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  • 沖縄観光の鍵は、文化や歴史以外に自然の魅力も売り出す姿勢
  • 来県した小西芸術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が提言
  • 遠方の外国人客を満足させる、データに基づく徹底した戦略が重要

 第2回沖縄版広域連携型地域ブランド共創事業の第1回検討委員会に出席するために来県した小西芸術工藝社社長のデービッド・アトキンソン氏が26日、沖縄タイムスなどのインタビューに応じた。沖縄観光が取るべき戦略としてアトキンソン氏は、長期滞在し多額を消費する遠方からの外国人観光客に対して満足度を上げることを提案。データ的な根拠に基づいて具体的なマーケットを設定し、文化や歴史だけでなく自然の魅力を含めて売り出す姿勢が鍵になると説いた。(聞き手=政経部・平島夏実)

「うるさい客」の満足度を上げるべきだと説くデービッド・アトキンソン氏=26日、那覇市内のホテル

 -日本を訪れる外国人観光客の潮流は。

 円安になったら観光客が減るというのは完全な誤解だ。たまたま安倍政権が円安に持っていこうとし、同時に観光客を徹底的に増やそうとして増えたということ。為替相場は観光収入額に影響するが、個々の国の観光客数への影響は言われるほどではない。インバウンド(訪日外国人観光客)は安定的な収入源になっている。

 来年の外国人観光客数は努力次第だ。本物の観光戦略ができているかいないか、実際に分かるようになるだろう。

 -必要な戦略は。

 近隣諸国からの観光客は金銭的にも時間的にも投資が少ない分、求める満足度が高くない。開拓しやすいマーケットであり、素晴らしい成績を出せている。

 一方、ことしに入ってやっと「うるさい観光客」、つまりLCC(格安航空会社)で来ることができない遠方からの観光客が増え始めた。訪日アメリカ人は初めて100万人を超え、欧州も増えている。長く滞在し多くのお金を落とすマーケットだ。うるさい分だけ応える価値がある。この人たちが満足することで、近隣からの観光客や国内観光客を含めたマーケット全体の満足度が上がっていく。

 個人的には、データ的な根拠を徹底させて戦略を立てることが大事だと思う。欧州のマーケットは5億8千万人で、うち最多は8400万人のドイツ。実は世界第3位のマーケットだが、ドイツからの誘客に取り組んでいる都道府県はどこもない。欧州はフランス、イタリア、イギリス、というのは感覚的なものだ。

 -沖縄観光に提言を。

 日本全体に発想のズレがある。文化や歴史を最初に売りたくなるが、実際にはそれだけのために観光をしたい人はものすごく少ない。京都であれば芸妓(げいこ)やお茶だが、外国人にそればっかり売るというのはどうだろうか。日本人だって興味を持っている人は多くない。世界を見た時に日本の魅力でここは外せないというのが自然だ。沖縄も、文化や歴史だけでなく自然を含めた総合力でいかないといけない。