ちゅらゆ~な代表 近藤ゆうなさん(45)=福島県出身

「沖縄のヌチグスイ(命の薬)食材を発信」「食品工場を設置し雇用で貢献」…。やりたいことをよどみなく語る。「明るく、パワフル」。知人たちの印象通り、話す勢いはしばらく止まらなかった。

モズク大好きの近藤ゆうなさん。得意の英語を生かし、海外展開にも乗り出した=東京・青山の「ちゅらゆ~な」

 伊是名島産の「早摘み生もずく」を主力商品に、沖縄県産食材を販売している。銀座わしたショップでの店頭販売、飲食店や量販店向けの提案営業を地道に続けてきた。

 その努力の“花”が開き、“実”も結び始めている。販路は沖縄料理店だけでなく、すし、そば、うどん、ギョーザなどの専門店に広がる。

 特徴は独創的なメニューの提案だ。カキとモズクのあんかけ、温泉たまごとモズクのあえ物など、定番の酢モズクのイメージをはるかに超える。「他ができないこと、付加価値をつけることを考えたら、食べ方の提案だった。モズクが好きだからできた」。レシピは300以上にのぼる。

 父親が伊是名出身で、父が移住した福島県で生まれ育った。幼少期から、島から届くモズクや沖縄の野菜、果物に親しんだ。だが、会社を興すまでそれほどルーツの沖縄へのこだわりはなかったという。

 東京の短大を卒業後、外資系企業で務め、結婚を機に専業主婦となった。じっとしていられないタイプで「何かやりたい」と考え着いたのがモズク販売だった。伊是名のいとこらが生産し、主婦仲間にも人気がある。自信を深めた。

 多くの商談会に参加し、興味を示したお客さんとコミュニケーションをとり続け、メニューや売り方の提案で販路先を開拓してきた。今年2月から香港にも出荷し、11月にはパリの高級三つ星レストランとの取引も始まった。「モズクと関わりルーツ意識や沖縄への思いも強まった。貢献で感謝を示していきたい」。(東京報道部・宮城栄作)=連載・アクロス沖縄<32>

 こんどう・ゆうな 1971年、福島県富岡町生まれ。父親が伊是名村出身で、旧姓は名嘉。ニュージーランド留学、東京の短大を卒業。東京電力、シティバンクなどでの勤務を経て、2010年に東京でちゅらゆ~なを起業。16年、沖縄支社を本社に改め、沖縄との連携を深めている。