「ワーストはネクストのマザー」。多くの人を魅了した元プロ野球選手、長嶋茂雄さんの数ある“迷言”の一つにある。人の一生ではつらい試練が幾度となく訪れるが、そこに耐えた経験が次の飛躍を生む。そんな意味だろう

▼1年を振り返ると、沖縄は米軍基地の過重な負担を痛感させられることが相次いで起こった。25日付紙面の県内十大ニュースで、トップを含む4件が基地絡みのニュースであった

▼無辜(むこ)の20歳の女性が殺害され、5月に元米海兵隊員で軍属の男が逮捕された。東村高江では政府が7月、ヘリパッド建設工事に着手した。全国から投入した機動隊員が抗議する人たちを排除し、「土人」との暴言も浴びせて、沖縄の心の傷をえぐった

▼12月、恐れていたオスプレイの墜落事故が、ついに起きてしまった。わずか6日後に米軍は飛行を再開し、政府も追認した。辺野古の埋め立て承認の取り消しに関する最高裁判決で、県が敗訴し、政府は早速、工事を始めた

▼全国の基地の7割が沖縄に集中し、安全保障のために、県民の暮らしが脅かされる。日米が一体となってこれでもかと、沖縄を追い込んでいるように見えてならない

▼事態を打開する何かがあるかは分からない。だが、雌伏のときに耐えた先に見えてくる「ネクスト」があると思えば、少しだけ気が軽くなる。(宮城栄作)