ことし1年間を象徴する言葉として、沖縄タイムスがノミネートした19語の中から読者が選ぶ「沖縄版・流行語大賞2016」に、「『土人』『シナ人』発言」が決まった。東村高江周辺のヘリパッド建設に反対し、現場で抗議する人々に対し、いずれも大阪府警の機動隊員が言った。発言は機動隊員個人の問題ではなく、琉球処分からつながる本土側の県民への差別意識が露骨に出た言葉として批判が集中した。

大阪府警の機動隊員による「土人」発言

座り込む市民を強制排除する機動隊員=9月日、東村高江

大阪府警の機動隊員による「土人」発言 座り込む市民を強制排除する機動隊員=9月日、東村高江

 投票は20日から5日間、本紙ホームページやファクスで受け付け、計147人が参加。複数投票も可能とし、「土人」「シナ人」発言は投票総数の約6割を占める79票を集めた。

 2位は、名護市安部の海岸に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落したことを受けた「オスプレイ墜落?不時着?」が選ばれた。国内配備後、機体が大破した初めての重大事故で、配備に反対してきた県民の間に衝撃が広がる中、米軍や政府は「墜落」という言葉を使わず、「不時着水」を繰り返した。

 3位もオスプレイ墜落に関連し、在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が「被害がなかったことは『感謝されるべきだ』」との発言が選ばれた。

 明るい話題から発信された言葉としては、「世界のウチナーンチュ」が4位に入った。26カ国・2地域から過去最多の7297人が海外から参加した「第6回世界のウチナーンチュ大会」(10月26~30日)。閉会式では「世界のウチナーンチュの日」宣言があり、海外から来た県系人と県民が互いの絆を再確認した。

 選んだ理由として「ウチナーンチュのアイデンティティーを感じることができた」などが挙げられた。

「本土との温度差が浮き彫りに」

 「衝撃的な発言だった」「沖縄の1年を象徴する言葉だった」。東村高江の米軍北部訓練場周辺で10月18日、大阪府警から派遣されている機動隊員が、工事に抗議する市民に対し「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」「だまれ、こら、シナ人」などと発言した。ことしの「沖縄版・流行語大賞」投票者の55・2%が「土人」「シナ人」発言を選んだ。

 

 理由は「本土との温度差と沖縄に対する差別感情が浮き彫りにされた」などがあり、2位の「オスプレイ墜落?不時着?」、3位の「感謝されるべきだ」と複数回答で選んだ人も多かった。三つの言葉を“同質”として「言葉が持つ意味や背景に注目し、直していかなければならない流行語」「日本の人権意識が丸出しになった」「沖縄弾圧がひどくなった1年を表している」と憤る意見があった。

 また、国が強行するヘリパッド建設をはじめ、名護市辺野古の新基地建設を巡る国と県との法廷闘争がある中、6位の「不当弾圧」、12位の「違法確認訴訟」も関連して票を集めた。

 5位の「子どもの貧困」は、昨年の9位から票を伸ばして2年連続でランクインした。県は1月、沖縄の子どもの貧困率が29・9%と発表。都道府県として初めての調査で、全国の16・3%の2倍近く上回る深刻な状況、18歳以下の3人に1人が貧困状態で暮らしている実態が明らかになった。ひとり親世帯の貧困率は58・9%で、さらに厳しい数字となった。選んだ理由として「連日報道され、新聞やテレビで深刻な状況を思い知らされた」などがあり、関心の高さを示した。