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高江で逮捕…裁判所に勾留を認められたのは57%

2016年12月30日 16:09

 沖縄県米軍北部訓練場のヘリパッド建設に抗議して逮捕された市民ら延べ14人の勾留率が、約6割にとどまることが沖縄タイムスの調べで分かった。裁判所に勾留が認められたのは約57・1%で、2015年の全国刑法犯の約90%を大きく下回る。抗議運動を支援する弁護士は「警察は法解釈を誤り、抗議活動を弾圧するための不当逮捕を繰り返していた」と批判する。(社会部・国吉聡志、山田優介)

座り込む市民を強制排除する機動隊員=9月、東村高江

全国刑法犯の90%を大きく下回る勾留率

 ヘリパッド工事は7月に本格的に再開され、8月に警察官を転倒させたとして男性が公務執行妨害の疑いで逮捕されたのを皮切りに、11月までに計9件延べ14人が逮捕された。大半は警察官への公務執行妨害容疑だ。

 ところが4件4人については、逮捕後に那覇地検が那覇簡裁に勾留請求をせず、処分保留で釈放している。1件2人は請求したが、裁判所に認められなかった。

 8月に逮捕された男性についても、地検は勾留請求していない。市民側は現場を撮影した映像と警察の説明が食い違うと指摘し、「警察発表はおかしい」と訴えていた。抗議運動を支援する小口幸人弁護士は「警察は逮捕の判断を誤り、建設工事を進めるために権限を乱用している」と批判する。

 小口弁護士は、抗議の現場で警察官が公務執行妨害容疑の解釈を誤解していた時があったと振り返る。同容疑は職務執行に対し、「暴行や脅迫」がないと成立しない。ところが現場では市民が指示に従わないだけで、警察官が「公務執行妨害になるぞ」と警告する場面があったという。

 また、4件6人の不起訴処分(起訴猶予)がヘリパッド完成後の12月下旬に集中していることも判明。池宮城紀夫弁護士は「高江の工事が終了してから、不起訴にしたとしか思えない」と語る。

 年明けには辺野古の埋め立て工事が本格化する予定だ。「警察は犯罪の疑いが薄い市民を不当に逮捕している。憲法で保障された表現の自由を弾圧するのを慎むべきだ」と訴えた。

 【容疑者の勾留】 逮捕された容疑者の身柄を刑事施設などに収容し、逮捕に引き続き拘束する処分。検察官が請求し、裁判所が認めるかを決める。犯罪をしたと疑う相当の理由(犯罪の嫌疑)があり、かつ住所不定だったり、罪証隠滅や逃亡の可能性があったりした場合に認められる。期間は10日間だが例外的な罪を除き、さらに最大10日の延長ができる。

刑事法の研究者41人、山城議長の釈放求め声明

 辺野古、高江の抗議行動を巡って起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長について、県内外の刑事法の研究者41人が28日、釈放を求める緊急声明を発表した。「長期勾留は正当な理由のない拘禁」で、憲法違反と指摘している。

 声明は抗議行動に絡んだ起訴事実は政治的表現行為とし、「自由は最大限尊重されなければならない」「違法性の程度の極めて低いもの」と指摘。捜査が終わっていること、証拠隠滅の恐れがないことからも、「速やかに解放すべきだ」とした。

 呼び掛け人の1人、琉球大の森川恭剛教授は「政府は沖縄の民意を力で踏みにじりながら法治国家であると豪語し、刑事司法も追随している」と述べた。

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