「さくらはまだか」という歌がある。脊髄性筋萎縮症の謝花勇武さん(38)が率いるバンド「コンスタントグロウ」の曲だ。障がい者の全国音楽コンテストでグランプリを獲得した

▼「そんなに憧れ持ったって どんな魔法でも 生まれ変わるはずない そして開き直ってみて 私は私らしく生きる」。曲は謝花さんが作詞、作曲し歌う。メンバーはSNS(会員制交流サイト)で呼び掛けて集まった

▼自分は自分でいいじゃないか、周りを気にすることはないんだ、肩の力を抜いて、自分を信じて今を精いっぱい生きて行こうよ。曲に込められた、そんなメッセージが伝わってくる

「コンスタントグロウ」はきょう元日の紙面で紹介されている。メンバーらは、5曲入りCDを無料配布する活動も展開し、100万枚配布を目指している

▼ほかにも阪神大震災で肉親を失ったが、知人らの助けで再スタートしたマンゴー農家。母国ミャンマーに小学校を設立、その運営費捻出のため料理店を営む夫妻。性別違和に苦しんでいたが、手術後に結婚し第三者の精子提供による人工授精で子どもを授かった男性。沖縄に生きる多様な人たちを取り上げている

▼人生は素晴らしいんだ、やりたいことができるんだ。彼らの生き方に誰もが暮らしやすい社会へのヒントが隠されているはずだ。(玉寄興也)