2017年(平成29年) 12月19日

 【東京】名護市辺野古の新基地建設に反対する県に対し、主張を全面的に認めた最高裁判決を「錦の御旗」に埋め立て工事を再開させた政府。翁長雄志知事が「あらゆる手法で阻止する」と明言する状況で、普天間飛行場の返還と沖縄振興をどう進めていくか。稲田朋美防衛相と鶴保庸介沖縄担当相が沖縄タイムスと琉球新報の合同インタビューに応じた。

<鶴保庸介沖縄担当相>失業率、脱ワーストへ

県民一人一人が豊かさを実感できる沖縄振興の推進を強調する鶴保沖縄担当相=2016年12月26日、内閣府

 -沖縄の本土復帰から45年の節目の年。沖縄振興で特に力を入れたい分野は。
 「今までは本土並みのインフラ整備に主眼が置かれてきた。その結果として、県民一人一人が豊かさを実感できるような振興策を打ち立てられていたか疑問だ。県民所得や失業率の最下位の状況を脱することができるかに主眼を置きたい。貧困の連鎖を断ち切りたい」

 -来年度予算案に新規事業で盛り込んだ産業イノベーション創出や離島活性化推進にどう取り組むか。
 「産業の人材育成に取り組みたい。新しく起業する方のための種づくりに総合的に取り組みたい。離島活性化では持続可能な離島の在り方を考えたい。『十五の春』が起こり得ない方策を考えなければならない」

 -現沖縄振興計画は後期5年に入る。展望を。
 「今まででき得なかった部分は虚心坦懐(たんかい)にレビューする必要がある。一括交付金も使い切れていない問題がある。市町村で少し立案能力などに無理が生じている部分があると思う。県や市町村と密に連携をとっていきたい」
 「能力や、やる気がある子どもたちが家の貧困を理由に流れに乗ることができない事例を多く見てきた。給付型奨学金制度の全国制度のスキームを研究し、真っ先に沖縄で適用できるよう頑張りたい。手に職がつくような総合的な学校や教育関連施設の設立の可能性も探りたい」

 -沖縄の交通渋滞解消に意欲を示している。
 「沖縄は車社会であり、道路の使用状況は今後も増える。自動車交通の合理化や安全な通行空間の創出を手掛けたい。路線バスの自動運転技術の実証実験もその一つだ」

 -名護市辺野古の新基地問題で政府と県が対立している。沖縄振興への影響は。
 「振興額と基地問題は全然リンクしていない。振興のために必要なもの、不必要なものとの仕切りでやっていて、これからも同じだ。ただ、基地があるかないか、これから基地が返ってくるかこないかで振興策は変わる。当然影響はある」
 「県と政府の対立構造は不幸なことだと思う。この解決策は、両者が同じテーブルで冷静に話し合うこと以外あり得ない。その素地づくりがわれわれには必要だと思う」(聞き手・石川亮太)

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