内閣府の沖縄担当部局に一括計上される2017年度沖縄関係予算の編成作業は、異例づくめの展開だった。

 官邸の大番頭である菅義偉官房長官が乗りだし、「過剰介入」とも思えるほど、終始、厳しい姿勢を示し続けた。翁長雄志知事をけん制するねらいがありありだった。

 沖縄への関与を強めている二階俊博幹事長は、党の大番頭として、増額を念頭に調整に乗りだした。

 政府・自民党の2人の実力者と鶴保庸介沖縄担当相による駆け引きは、徹底した情報管理の下で進められ、沖縄関係予算に影響力を持つ自民党沖縄振興調査会に対しても詳しい説明はなかった。

 極めて異例の展開だ。これほど露骨に基地がからんだ予算攻防は、過去に例がない。

 最終的に前年度比200億円減の3150億円で決着したのは、二通りの解釈が可能な、落としどころを探った結果、だといえる。「200億円減」を強調するか、「3150億円確保」を強調するかで、評価はがらり変わる。

 沖縄振興特別措置法(沖振法)で定められた沖縄関係予算が新基地建設のための「調整弁」として利用されるようになったことは否定できない。

 安倍政権の下で官邸の力が肥大化し、官邸の意向が直接、内閣府の沖縄担当部局に伝わるようになったことで、官邸によるコントロールが強まってきた。

 沖振法に基づく沖縄振興体制は曲がり角に立たされている。

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 沖縄振興一括交付金は、概算要求の段階から大幅に削られ、最終的に前年度当初に比べ255億円減の1358億円にとどまった。

 一括交付金の繰越率が高く、不用額が多いことが減額の理由としてあげられている。一括交付金に改善の余地があるのは間違いないが、気になるのは今回から、交付金の算定方法を変え、新たな計算式を導入したことだ。

 変更するのであれば、県と事前に相談し、県の同意を得た上でスタートするのが筋だが、それもなかった。

 初めに官邸の「政治的意図」があって、その理屈づけのために専門知識を持つ官僚があらたな計算式を導入し、その結果に基づいて予算を減額要求したと考えるのが自然だ。

 理屈は後からついてくるというのが、政治の世界の決まり文句である。

 究極の「アメとムチ」政策である米軍再編交付金だけでなく、沖縄関係予算まで基地維持の貢献度に応じてということになれば、沖縄の地方自治は成り立たない。

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 県が策定した「沖縄21世紀ビジョン基本計画」(2012~21年度)は17年度から、折り返し点を通過し、計画後半に入る。

 県は昨年末、県振興審議会(会長・大城肇琉大学長)に対し、基本計画の改定案を諮問した。

 その作業と並行して県に進めてもらいたいことがある。計画期限が切れた後の沖縄振興体制の検討だ。大胆な変革を主導するぐらいの積極性が求められる。