辺野古沖が再び衝突の海になった。世間が仕事始めの4日、沖縄防衛局は新基地建設に向けた海上作業を10カ月ぶりに再開。海上保安官が海に飛び込んでカヌーの市民を一時拘束し、市民は「基地を造るな」と抗議の声を上げた。波乱の年が明けた。

海上保安庁の隊員が海に飛び込み、オイルフェンス設置に抗議する市民を捕まえる=4日午後3時23分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖(下地広也撮影)

オイルフェンス設置に抗議する市民のカヌーに、海上保安庁のボートが波しぶきを上げて近づく=4日午後3時22分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖(下地広也撮影)

海上保安庁の隊員が海に飛び込み、オイルフェンス設置に抗議する市民を捕まえる=4日午後3時23分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖(下地広也撮影) オイルフェンス設置に抗議する市民のカヌーに、海上保安庁のボートが波しぶきを上げて近づく=4日午後3時22分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖(下地広也撮影)

 工事は午前中、砂浜にフロートを並べるなどの簡単な作業が終わってから、鳴りを潜めていた。突如動き始めたのは、穏やかな陽光が雲に隠れた後の午後3時ごろ。海上保安庁のゴムボートが陸から4隻追加投入され、計10隻態勢に。市民に対し、「指示に従わない場合は必要な措置を取ります」と警告を始めた。

 3時15分、作業船がオイルフェンスを陸から海に引き出すと、市民のカヌーや抗議船が阻止に向かった。保安官は海に飛び込んでカヌーの市民を拘束し、ゴムボートに引き上げた。

 カヌーに乗っていた女性(53)は作業を目の当たりにし、「覚悟はしていたけど、悔しいし悲しい」と一言。「微々たる力でも、今この時代にこの島で生かされている身として、少しずつでも工事を遅らせていく。諦めない」と語った。

 昨年3月までの光景が再現されたことに「また同じことの繰り返しか」と嘆いたのは、抗議船に乗った女性。オイルフェンスを設置した作業員を見て、「これだけで人が死ぬわけではない。でも、ピラミッド造りが一番下の小さな石から始まるように、きょうの仕事も基地建設につながってしまうことを考えてほしい」と訴えた。

 抗議船の船長も務めるヘリ基地反対協の68歳の男性は「正念場の年が始まり、身が引き締まる思い」。政府の強硬姿勢に対し「困難な局面だが、力を合わせて運動の裾野を広げていきたい」と語った。