県経済をリードしている沖縄観光が好調だ。県文化観光スポーツ部が発表した昨年11月の入域観光客数は約65万人で、11月として過去最高を更新した。1月からの累計も約795万人となり、年間を通して初めて800万人の大台を超えるのは確実だ。

 数字を押し上げている要因の一つは外国人観光客の増加だ。台湾、韓国、中国、香港など近隣の国・地域を中心に、昨年11月までの累計が194万人に達している。こちらも年間で初の200万人台を突破し、過去最高を更新するのは間違いない。

 県は2021年度の入域観光客数1千万人を目指しており、いまのところ順調に進んでいるといえそうだ。

 沖縄観光の魅力はどこにあるのだろうか。

 島々を含め地域ごとに異なる自然や文化、歴史、せわしい都会では感じることができないゆったりした時間の流れ-などだろう。これらが相まってつくりだされるのが沖縄観光の魅力に違いない。

 沖縄の中にいると、自分の足元の宝に気づくことがなかなか難しい。私たちもその宝を再発見し、内外に発信したいものである。

 国は訪日外国人観光客4千万人を掲げている。国内観光地との競争も激烈になりそうだ。観光客が沖縄を選び、リピーターになってもらうにはどうすればいいか。

 おもてなしの向上を図り、沖縄にしかない地域の魅力を積極的にPRする必要がある。「待ち」の姿勢のままで楽観するのは禁物である。

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 気になるのは、観光客1人当たりの消費額が低迷していることだ。県によると、復帰の年の1972年の観光客数は約44万人に過ぎない。消費額は同年が7万3132円に対し、2015年は7万6171円。この間、増減はあるもののほぼ変わらない。

 足元の宝とともに、観光客が長期滞在したくなる新たな観光施設や観光ルートの開発、質の高い商品やサービスが同時に求められるだろう。

 沖縄から4時間圏内には人口20億人を擁するアジアの巨大マーケットが広がる。沖縄は日本の辺境であるが、見方を変えれば、アジアに最も近いのが沖縄だ。

 中国の「爆買い」は一時ほどの勢いがないが、アジアのダイナミズムを取り込まない手はない。県は15年に「アジア経済戦略構想」を策定。16年には中国福建省と通関・検疫の簡素化に向けた交渉が始まるなど動きだしている。

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 県の沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」が折り返しに入る。20年に那覇空港第2滑走路と与那原町と西原町にまたがる地区に国際会議などを行う大型MICEが完成する。東京五輪・パラリンピックの年である。

 軍民共用で自衛隊とのすみ分けをどう図るか課題は残るが、第2滑走路は観光客や国際物流ハブのアジア展開の足掛かりとなる。

 クルーズ船のバースの整備も急がなければならない。Wi-Fi(ワイファイ)の充実も急務だ。ポスト振計をにらんで、いまから取り組みを始める必要がある。