2017年(平成29年) 12月17日

沖縄タイムス+プラス ニュース

オスプレイ空中給油、きょうにも再開 事故原因の究明なく

 【東京】防衛省は5日、米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが6日以降、空中給油訓練を再開すると発表した。米軍は昨年12月13日の墜落から原因究明をしないまま飛行を再開した。調査が続く中わずか3週間余りで主因とみる空中給油訓練を再開する米軍と、搭乗員の訓練実績など基礎データを把握しないまま追認する日本政府に、県内から反発の声が上がっている。

空中給油訓練中に墜落したオスプレイ

 米軍は5日、本紙の取材に「運用上の安全を理由に訓練の再開日や時間帯は公表できない」とし、詳細は明らかにしなかった。菅義偉官房長官は会見で、米側が示した再発防止策を防衛省、自衛隊が専門的に分析した結果、「事故防止に有効と認められる対策を幅広くとっている」と容認した理由を述べた。稲田朋美防衛相はコメントで「原因を完全に特定するには至っていない」としつつ「米軍の安全対策は有効だ」と指摘した。

 米側は、空中給油は日本の防衛とアジア太平洋地域の平和と安定に欠くことができない活動と説明。日本側も「安全確保が大前提だが、空中給油の重要性を理解する」と応じた。

 中嶋浩一郎沖縄防衛局長は、県庁で謝花喜一郎知事公室長と面会し、日米がとった対応を説明。謝花氏は、飛行再開に対する県の意見を聞く機会がなかったことに加え、県民が納得できる説明がないとして強く抗議。飛行の即時中止と配備撤回を求めた。

 防衛省によると、オスプレイと米空軍嘉手納基地所属MC130は12月13日、墜落現場から北東約74キロ離れた米軍ホテル・ホテル訓練区域で空中給油訓練を行っていた。同日午後9時5分ごろ給油ホースとオスプレイの右プロペラが接触しブレード(羽)が損傷。飛行が不安定になって約25分後に名護市安部の海岸に墜落した。

 日米は夜間のオペレーションに加え、乱気流などの環境要因と人的要因が複合的に重なったため接触したとみている。空中給油訓練は陸地から離れた海域で実施するという。再開は気象状況などで1月7日以降にずれ込む可能性がある。

翁長知事「日本政府には当事者能力がない」

 翁長雄志知事は5日夜、防衛省がオスプレイの空中給油訓練再開を発表したことに「怒りを禁じ得ず、強い憤りを感じる」と批判した。その上で、事故原因の検証に県の意見が反映される仕組みを構築するよう、政府に要請する考えを明らかにした。

 知事は訓練再開で稲田朋美防衛相が発表した談話が「給油ホースがオスプレイのプロペラの羽根に接触した原因を、完全に特定するには至っていない」とされていたことを問題視。

 「『何が原因だったかは今も分かりません』と言っているようなものだ。日米地位協定の下では米軍の言うとおりにしかできず、法治国家とは言えない。日本政府には当事者能力がない」と懸念を強調した。

 さらに「重大な事故があった場合には、沖縄が入らないと納得するのは難しい」と述べ、原因究明の過程に県民の意見を反映するよう求める考えを示した。

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