沖縄県内在住の外国人留学生が入管難民法の制限(週28時間以内)を超えて不法就労(資格外活動)しているとして、法務省福岡入国管理局那覇支局に摘発された件数が、2012~16年で2件にとどまっていることが分かった。日本語教育機関(日本語学校)に通う留学生の間では不法就労が常態化しているが、入管当局のチェック機能が行き届いていない現状が浮き彫りになっている。(社会部・知花徳和、篠原知恵)

自転車で移動する外国人留学生=那覇市内

自転車で移動する外国人留学生=那覇市内

 摘発された2件のうち1件は、日本語学校に通わず本島南部の倉庫従業員として違法に長時間働いていたとして、ベトナム人が16年に本国へ強制送還された。もう1件は、入管が15年に別の外国人留学生の違反調査に着手したが、容疑不十分で強制送還に至らなかった。

 法務省関係者は、摘発数が低調な理由に関し「日本語学校や一般からの情報提供がないので、留学生の不法就労の実態はあまりないはずだ」としつつ、「インバウンド(訪日外国人客)関連の入管業務が増えた」と述べ、人員不足が要因の一つとした。

 入管難民法は原則、入管の許可を得た留学生に週28時間以内のアルバイトを認めている。上限を超えた場合、学生本人は強制送還され、雇った事業者も不法就労助長罪に問われる可能性がある。

 不法就労が発覚すると、入国警備官が違反事実を調査し、入国審査官が強制送還に当たるか否か「認定」する。不服申し立てがあった場合、特別審理官が再調査し、「認定」に誤りがないか判断した後、法相または地方入国管理局長の「裁決」が下り、本国への送還の適否が最終的に決まる。

 福岡入管那覇支局は「アルバイトの時間が超過しているだけで即、強制送還とならない。本来の在留目的である学業が形骸化していないか、総合的に判断する」と説明している。

 法務省の統計によると、全国で不法就労などで強制送還された外国人は、2015年で385人、14年は394人。13年は475人、12年が587人、11年は523人だった。「留学」など資格別の統計は明らかにされていない。