【名護】名護市の新成人が8日、市街地を見下ろす銭ケ森(じんがむい)に恒例の光文字をともした。今年の一字は「心」。亡き友へ、事件に巻き込まれた一つ上の先輩へ、「優しい心」を届けた。

「心」の光文字は国道58号からもはっきり見える=8日午後8時前、名護市城(8秒間露光)

成人式で岸本剛さんの遺影を持つ仲村渠亘さん=8日、名護市民会館

「心」の光文字は国道58号からもはっきり見える=8日午後8時前、名護市城(8秒間露光) 成人式で岸本剛さんの遺影を持つ仲村渠亘さん=8日、名護市民会館

 仲村渠亘さん(19)は小学2年の時に同級生の岸本剛さん=享年8=を脳腫瘍で亡くした。この日は岸本さんの実家から預かった遺影をずっと胸に抱え、成人式と光文字の点灯式に参加。「一緒にいられてめっちゃうれしい」と笑った。

 岸本さんの母、光枝さん(45)は思わぬ申し出に感激。成人式会場の名護市民会館で、友人たちの晴れ姿と息子の遺影を見守った。「友達に恵まれた。成人おめでとう」と涙ぐんだ。

 光文字の実行委員長、宇良宗徳さん(20)も仲良しの一人。仲村渠さんと2人で遺影を実家まで送り届けた。「ご家族が喜んでくれてよかった」と話す。

 もう一つ、昨年の光文字点灯式には、その後起きた元海兵隊員による暴行殺人事件の被害女性が参加していた。宇良さんたちは同じ中学の1学年下。今年の一字を決める時、「もう悲しい思いをする人がいないように」「人に優しく」と願いを込めた。

 これまで21回の光文字は東江中の卒業生が担ってきたが、今年は市内全域の新成人に広げて実行委をつくった。名護さくら祭り最終日の29日まで点灯する。