沖縄県読谷村楚辺で8日、酉(とり)年の合同生年祝いがあり、生まれつき歩行が困難な上地由花さん(11)=古堅小5年=が十三祝いを迎えた友人と一緒に車いすで「かぎやで風」を踊った。歩かずに参加できる太鼓を担当する話もあったが、同級生とともに踊ることを選んだ。約3カ月練習を重ね、晴れの舞台で人生の節目を迎えた。

同級生と一緒に「かぎやで風」を踊る上地由花さん(手前)=8日、読谷村・楚辺公民館

 楚辺自治会の合同生年祝いは、十三祝いを迎えた小5女子が「かぎやで風」を披露するのが習わし。今年は女子6人が臨んだ。

 華やかな琉装に身を包み、三線の音に合わせて、公民館大ホールの舞台にゆっくり入場した6人。由花さんは左手で車いすを動かしながら、右手に持つ扇子をリズムに合わせた。

 前夜は緊張で眠れなかったという由花さん。「初めて踊ってみて、ちょっと難しかったけど、やって良かったです」とほっとした表情を浮かべた。

 一緒に踊った比嘉樹瑠(じゅえる)さん(11)は「みんなで教え合いながら頑張ってきた。車いすでも踊ろうとする由花はすごい」と話した。

 母めぐみさん(42)は当初、踊りの経験がないことから太鼓での参加を考えていた。しかし、由花さんの「一人でやるより、みんなで一緒の方が楽しい」という思いを、指導者や友人が受け止めた。

 踊りが終わると、拍手や指笛が鳴りやまず、舞台に祝儀袋を投げ入れる人が後を絶たなかった。

 めぐみさんは「踊りは無理だろうと決めつけなくて良かった。踊りの先生や友だち、支えてくれた皆さんに感謝です」と目を潤ませた。(中部報道部・溝井洋輔)