22日投開票の宮古島市長選で翁長雄志知事が9日、宮古島入りし、前沖縄県議の奥平一夫氏(67)を支援すると表明した。「オール沖縄」を支持する地元の選考委員会が擁立した下地晃氏(63)も「オール沖縄」の立場を掲げる中で、知事が奥平氏支援を決めたことで下地氏との間での集票激化は必至。情勢の流動化に拍車が掛かる。対抗する保守2陣営は「オール沖縄」支持者の票が奥平氏で固まるのを警戒している。

街頭で応援演説する翁長雄志知事=9日、宮古島市平良西里のスーパー前

 「オール沖縄をつくる際、政策面で調整したのが奥平さん。県政運営でも汗をかいて私を支えてくれた」。翁長知事は9日、市内3カ所の大型スーパー前で演説し、奥平氏支援を訴えた。知事が支援の理由に挙げるのは、県知事選での協力や元与党県議として県政を支えた功績だ。

 奥平氏陣営の一人は「これでオール沖縄の候補は誰なのか市民に一目で分かる。出入りを控えていた支持者がこれから続々と来るだろう」と知事の“お墨付き”に声を弾ませる。オール沖縄の亀裂を招きかねないリスクがありながらも支援を決めたことに「知事も相当の覚悟がないと入れない」と話す。

 知事の宮古入りに、下地陣営の幹部は「裏切られた気持ちだ。この亀裂はこの先の県知事選や衆院選に現れるだろう」と憤りを隠さない。知事を支持する地元関係者で立ち上げた選考委員会で下地氏を「オール沖縄」候補に擁立した経緯を知事サイドに伝え、「一方だけに肩入れしないでほしい」とけん制していたからだ。「今はどれだけ票を引き留められるか、耐えるしかない」と頭を抱える。

 保守系の立候補予定者の陣営は知事の支援に警戒を強めている。現職の下地敏彦氏(71)を支持する陣営の一人は「天下の知事が入るのだから影響が出ないはずがない。厳しい戦いになるが、われわれは組織力を生かして戦うだけだ」と気を引き締める。前市議の真栄城徳彦氏(67)を支持する陣営幹部は、下地晃氏を推す社民、社大の革新票が崩れるかは「この先の下地陣営の動き方次第だ」とし、先行きを注視するとした。

 翁長知事が宮古入りを決断する前日の7日、下地晃氏を推薦する県政与党幹部は安慶田光男副知事と会談し、「知事が宮古に入るというなら、われわれと選挙で相対することになるが、構わないのか」と迫った。知事が奥平氏を支援すれば、下地氏を推薦した社民、社大の県政与党と対応が割れ、宮古島市長選での「オール沖縄」分裂が確定的になるとの不満もぶちまけた。

 最後は、選挙後に再度、結束することで了承するしかなかったという。与党幹部は「われわれの推薦を取り消して一本化というなら答えはノー。だが、知事の政治判断というなら、大人の対応をするしかない」と嘆いた。(宮古支局・仲田佳史、政経部・銘苅一哲)