自衛隊による県内の米軍基地内での「研修」が増加傾向にあり、2015年度は記録が残る08年度以降最多の48回に上ったことが防衛省の資料で分かった。中でも陸上自衛隊は15年度、テロ対策などの専門部隊、中央即応集団が「特殊作戦研修」に初めて2回参加している。実践的な経験を積む事実上の「共同訓練」で、日米の軍事一体化が進む実態が浮き彫りとなった。(政経部・大野亨恭)

在沖米軍基地内での自衛隊の「研修」実績

 「特殊作戦研修」は09年度から開始し、15年度は4月と8月にそれぞれ中央即応集団特殊作戦群の10人が参加した。

 15年8月12日にうるま市沖で訓練中の米陸軍ヘリが米艦船上に墜落し、2人の陸自隊員が負傷した事故も、この研修の一環だった。

 防衛省はあくまでも「研修」とするが、艦船墜落事故は米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)がヘリから降下し、武装勢力から船を奪還する訓練の最中だった。10人のうち2人はヘリに同乗、8人は艦上で訓練を学ぶ極めて実戦に近い内容だった。

 また、12年からはキャンプ・ハンセンやシュワブ、ホワイトビーチなどで米軍の水陸両用作戦にも訓練名目で参加している。防衛省は「技術向上や日米隊員間の関係強化が目的」とするが、陸自が17年度に新設する「水陸機動団」で導入する水陸両用車「AAV7」の操作を学ぶ狙いもあり、「訓練」か「研修」か、線引きはあいまいだ。

 防衛省がまとめた研修実績によると、08年度は陸海空合わせて26回だったが年々増加し、15年度は過去最多の48回に上った。15年度の内訳は、空自26回、陸自21回、海自1回となっている。

 民主党政権下の12年、防衛省はキャンプ・シュワブやハンセンなどに陸自を常駐させる計画を立案したことが明らかになっている。伊江島補助飛行場など県内13施設と周辺2水域を「共同使用」の候補地として挙げるなど、沖縄を舞台に、水面下で軍事一体化計画が進んでいる。