日曜日にピークだった成人式。ド派手な衣装から、定番のはかま、振り袖、スーツ姿。若さにあふれたどの晴れ姿にも、エールを送らずにはいられなかった

▼地震発生からもうすぐ9カ月になる熊本の被災地では、復興への貢献や被災者支援に向けて前を向く若者が印象的だった。東日本大震災の被災地でも、地域を支える決意を新たにする成人たちは心強い

▼そんな姿を目にするたびに、大人の仲間入りを歓迎する側はどうかと自問自答してしまう。同じ成人式でも、「不祥事」で欠席したこの人の胸中はどうだったか

▼昨年末、日中に賭けマージャンをしたことが発覚した福岡県飯塚市の斉藤守史市長のこと。欠席の理由は「混乱を避けるため」だが、なんとも情けない話である。関係団体の新年行事も見合わせるが、「自粛」という都合のいい言葉に逃げ隠れているようにも映る

▼式典では市長の不在に気付かない新成人もいたが、「欠席は当然」「賭けマージャンも欠席も恥ずかしい」など批判やあきれ声が上がったという

▼毎年、成人の日に心にとめたい文章がある。伊集院静さんが酒類メーカーの新聞広告につづるメッセージの一節。「自分一人が良ければいい生き方はダメなんだ。(略)卑しい行為はダメだ。大切なのは品性だ」。ことしも多くの大人で共有したいと思った。(赤嶺由紀子)