石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で、サンゴの死滅割合が7割との調査結果を受け、県内の観光関係者は危機感をあらわにし、再生への早急な取り組みを訴えた。

白化現象による死滅後、藻類に覆われて茶色に変色した石西礁湖のサンゴ=2016年12月21日(環境省那覇自然環境事務所提供)

 八重山ダイビング協会の安谷屋正和会長は「水温が下がって安心していたが、ここまで深刻とは思わなかった」とショックを隠せない。昨年夏以降、シュノーケリング客が減るなど影響が徐々に出ているという。

 「できることは今あるサンゴを守り、移植することだ。早めに動かなければ海がどんどん悪くなる」。石垣市や県、漁協などにも働き掛けると述べ、「全滅させないよう、行政挙げて再生に取り組める環境づくりが必要だ」と話した。

 琉球大学の下地芳郎教授(観光学)は「死滅は沖縄観光のイメージに影響する」と指摘。「世界的に見ても八重山のサンゴ礁の評価は高い。死滅にはさまざまな原因があると思うが、成り行きに任せてはいけない」と警鐘を鳴らした上で、環境や観光以外の分野でも保全に取り組む必要性を説いた。

 JTB沖縄の杉本健次社長は、6年前から修学旅行生を対象にしたサンゴの生態系再生プログラムを実施していると説明した上で「サンゴがどれだけ大事か、貴重かをもっと広く伝えなければいけない」と強調。「将来の沖縄観光に大きなダメージを与えるとの危機感を、県民だけでなく観光客も含めた全ての人が認識することが必要」と語った。

回復追いつかず

 日本サンゴ礁学会サンゴ礁保全委員会・中野義勝委員長の話 1998年以降、3~6年おきに大規模な白化現象が続いている。回復には5~10年かかるが、被害が頻繁になり、回復が追いつかない。地球の気候変動の中、残念ながら琉球列島のサンゴは南側から衰退期に入ったともいえる。

 今回、本島や慶良間以北の被害は比較的小さい。奄美とも連携し、対策や予防を考えていく必要がある。白化現象を防ぐ有効な手だてはない。社会全体が白化被害を気象災害と認識する必要がある。生物学以外の各分野の連携も重要だ。