【連載「働く」を考える】

 ごみ・古紙回収会社社員の平良弘明さん(46)が、労働基準監督署を通じてもうひとつ知ったのが、1人から、誰でも加入できるユニオン(合同労組)の存在だった。

組合員の結束は固いが、待遇改善に応じない会社の姿勢にいらだちが募る

 「会社に文句を言って辞めさせられたらどうする?」という意見も出たが、「このままだと生活できない」と従業員14人のうち7人で、ユニオンの支部という形で組合を立ち上げた。

 ユニオンの支援を受けながら、一から法律を学び、会社と団体交渉した。

 法に定められた労働者の権利でありながら、取れなかった有給休暇について、労使で協定を結んだ。就業規則にも盛り込まれた。年休はほぼ100%行使できるようになった。

 社会保険未加入の追徴金は、過去の未払い残業代と相殺される形で会社が負担することで合意。残業に関しても労使協定を結び、賃金は固定残業代を含む月約21万5千円で合意した。

 「組合をつくっていなければ泣き寝入りしていたかもしれない。労働者が知識を持たなければ」。平良さんの言葉に実感がこもる。

■    ■

 だが、組合結成直後から、年間40万円ほどあったボーナスが支給されなくなった。そのため、給与は増えたが年収はほとんど変わっていない。要求し続けている賃上げの進展もみられない。

 「赤字だから」「設備投資するから」「経営環境が不透明だから」。会社側は理由を付けて組合の要求を拒否し続けている。

 社長とその妻、息子が役員を務める家族経営の有限会社は財務が不透明だ。

 赤字の見通しから一転、黒字決算だったと会社が説明したことがある。その年は売り上げが2億円近くあったが、純利益は何度求めても明らかにしなかった。「売り上げはいったいどこへいったのか。役員報酬が多いのではないか」。社長一家の豪邸や高級車を見ると、そう勘ぐりたくもなる。

 ■    ■

 会社には昇給がなく、ベテランも新入社員も同じ給料だ。ごみの回収先をすべて把握していた組合員だった優秀な従業員が去年、昇給のある他業種の会社へ転職したが、会社からの慰留はなかった。

 「頑張ってもむだ。やりがいがない」。組合員は徒労感を口にする。組合をつくったことを後悔する者はいない。だが、会社との交渉は進まず、組合員の中にいらだちが広がる。

 「自分たちは働く環境をよくしたいだけ。生活できる給料がほしいだけ」と平良さん。シンプルな願いのために闘いを続けている。(文中仮名)(学芸部・高崎園子)

 ≫「ごみ回収正社員(上)」を読む

 

あなたの働き方、教えて下さい

 沖縄タイムスでは、沖縄で働く人たちが抱えている問題を取材しています。あなたの働き方の現状を教えて下さい。(現在、無職・休職中の方は、直近の職場の状況をお答え下さい)。アンケート回答に必要なお時間は3~5分ほどです。ぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

 アンケートのページはこちら(※沖縄県内で働く人が対象です)

 連載に関するご意見、情報をお寄せください。メール:hataraku@okinawatimes.co.jp、ファクス:098(860)3484