米軍の隠蔽(いんぺい)体質が改めて浮き彫りになった。「普天間飛行場に駐機していたオスプレイに落雷した」と発表された2014年6月の事故は、実は宮崎県の市街地上空を飛行中に起きていた。重大事故の隠蔽に、沖縄県内の訴訟団や市民団体は怒りをあらわにした。

頼和太郎氏

 

事故を小さく見せたかった? 

■頼和太郎さん(リムピース編集長)

 落雷に遭ったのが駐機中ではなく、宮崎県の市街地上空で飛行中だったことをなぜ隠していたのか。これは国内でオスプレイ配備に反対の声が根強い中で、事故の重大性を小さく見せたかったのだろうと考える。

 当初、米軍側が被害クラスAとしていたものをクラスCに分類し直したことからも、日本国内の世論を気にしてオスプレイの事故率を上げたくないという米軍側の思惑が見える。

 航空機が落雷に遭うのはよくあることだがプロペラの破損や制御機器のトラブルなど、重大な問題が発生しているのであれば安全な場所に不時着するべきだった。市街地上空で大きな事故を招く危険性もある中、そのまま普天間飛行場まで飛行を続けたことは考えられない。

 オスプレイ以外の米軍機でも同じような事案が繰り返され、隠されている事実がもっとあるはずだ。(談)

プロペラ破損したまま普天間へ戻る

 「あまりにもひどい」。普天間爆音訴訟団の島田善次団長は、落雷でプロペラが破損したままのオスプレイが、そのまま普天間飛行場まで飛行していたことに怒りの言葉を何度も口にした。「政府や米軍が繰り返す安全性は、全くのうそだ。ひどいという言葉しか頭に浮かばない」と吐き捨てるように言った。

 同訴訟団の石川元平副団長は「県民だまし、国民だまし。みんなだまされ続けている。オスプレイの問題だけでなく、米軍絡みのあらゆる事件事故に通じる」と強調。「オスプレイは“空飛ぶ棺おけ”。本土に住む人たちも早く気付くべきだ」と声を荒らげた。

 「米軍の説明はごまかしばかりで全く信用できない」。第3次嘉手納爆音訴訟原告団の新川秀清団長は、米軍が昨年12月の同機墜落を「不時着水」と矮小(わいしょう)化していることを挙げ、「事故を小さく見せかける米軍のやりたい放題に対し、政府は何も言えない。植民地と変わらない。怒りの沸点を超え、ワジワジーという言葉では全く足りないくらいだ」と憤った。

 県統一連の瀬長和男事務局長は「事故率を低く見せ、安全だと示したい思いがあるかもしれない」と不信感を示した。宮崎県の市街地上空での落雷については「そもそもオスプレイに反対だが、市街地上空を飛ぶこと自体が問題」と指摘。悪天候が予想された中での飛行実施について「人命より、米軍の都合が優先されていることが改めて分かった」と語気を強めた。