「お前の会社はクズだ」「黙れ」-。物騒な言葉を並べて申し訳ないが、ドナルド・トランプ次期米大統領の記者会見での発言に、失望や不安を深めた人は多かったに違いない

▼以前から自らに批判的なメディアを口汚く攻撃してきた。当選後はなりを潜め、世界に安心感を与えたが、就任が秒読みとなってこうである。〈小人(しょうじん)は面(めん)を革(あらた)む〉の故事が浮かぶ

▼メディアを選び、好きな時にいいたいことを言う。そうして都合よく報道しろという圧力もかける。メディアコントロールの典型である。批判的なメディアも彼の発言を追わざるを得ない状況下では、残念だが作戦は成功していよう

▼氏のある態度に、女優のメリル・ストリープさんが「心を打ち砕かれた」と吐露した。面白くない記事を書かれた。記者は手が不自由だった。そのしぐさをまねしたことを指している

▼「最も過大評価されている女優の一人だ」。批判には取り合わず中傷で返した。企業への“口撃”もルール違反をいとわない。先行きは果たして…

▼〈君子は豹変(ひょうへん)す〉。悪い意味で使われるが本来、学識・人格に優れた君子は、過ちに気づけばすぐ正しく改める、と使われた。君子になれるか、自らの都合で態度を一変させる小人であきれられるか。大統領選時に示された支持の真価は、すぐに分かりそうである。(宮城栄作)