64店舗でiDeCo対応、対象拡大に細やか対応 沖縄銀行
投資初心者にも安心、専用窓口・特別サイトも充実 ろうきん

2017年から専業主婦、公務員なども加入可能に

 2017年から専業主婦や公務員、勤務先に企業年金のある会社員も、個人型確定拠出年金(愛称iDeCo=イデコ)に加入できるようになった。個人型確定拠出年金とは、公的年金に上乗せする国が定めた私的年金の一種。加入者が自分でお金を積み立て(拠出)、預金や投資信託で運用した資産を60歳以降に受け取る仕組みだ。公的年金の目減りが予想される中、現役世代にとってiDeCoは節税しながら効率よく老後資金を準備できる新たな選択肢となりそうだ。県内の金融機関でも独自のサービスや投資商品をそろえ、加入を呼びかけている。国民のほぼ誰もが加入できるようになったiDeCoの概要と活用方法をまとめた。
 

最大のメリットは節税効果

 老後資金の準備は現役世代の大きな関心事。公的年金への不安から節約に励んだり〝年金向け〟とされる保険商品の購入を考える人も少なくないだろう。リタイア(老後)に向けてコツコツ、効率良く老後資金を作りたい人に勧めたいのが個人型確定拠出年金(個人型DC)のiDeCo(イデコ)だ。

 最大の魅力は何と言っても税金面の優遇措置が手厚いこと。①掛け金が全額所得控除される②運用益は非課税で再投資される③資産受け取りの際も大きな所得控除がある―という3つのメリットに注目したい。

 所得のある人にとって特に①は効果を実感しやすい。例えば会社員で月23,000円を積み立てた場合、年間合計額の20%に当たる55,200円が戻ってくる計算だ(翌年に支払う所得税・住民税の支払額が安くなる)。iDeCoの県内運営管理機関の一つである沖縄ろうきんによると「課税所得が高く、掛け金を多く払う人ほど節税効果が期待できる」という。


 

タイプで違う掛け金の上限額

 iDeCoは加入者のタイプによって、掛け金の上限が決まっている。2017年からの制度改正で対象拡大となった層で見てみると、専業主婦は月23,000円、公務員は月12,000円。勤務先に企業年金がある会社員で企業型確定拠出年金(企業型DC)のみの加入なら月20,000円、それ以外は月12,000円となっている(2018年から上限額は年額計算になる予定)。

 掛け金は月5,000円から1,000円単位で上乗せできる。投資初心者なら初めは少額から積み立て、慣れてきたら掛け金を上限まで増やしてもいいだろう。ただし税制優遇効果を考えた場合、より長期に上限額いっぱいの方がより有利になる。もしライフスタイルが変わり、毎月の支払いが難しくなった場合は、一定期間支払いを止め、残高の運用のみを行う運用指図者になることも可能だが、毎月の管理手数料は発生するので注意が必要だ。
 

口座は1人一つの金融機関で

 注意点としてiDeCoは原則60歳までお金の引き出しができない。あくまで老後資産の形成が目的であり、長期投資が義務づけられている。通常、投資は長期であればあるほどリスクは小さくなると言われており、月々の積み立て投資であるiDeCoは、投資初心者にとっては扱いやすい制度と言えるだろう。

 長期投資となる場合、大切になってくるのが金融機関選び。iDeCoは法律に基づき、国民年金基金連合会が主体となって運営するが、加入の申込先は運営管理機関、受付金融機関。具体的には銀行や労働金庫、証券会社、信託銀行や生命保険会社、信用金庫などがそれに当たる。

 iDeCoの口座が開設できるのは1人ひとつの金融機関。金融機関を途中で変更するのは可能だが、手続きが煩雑で時間がかかり、解約手数料を取られる場合がある。また資産を移管する際、そのときの評価額で現金化されるため、注意が必要だ。

 金融機関を選ぶ際は、毎月かかる口座管理手数料の水準や商品の品ぞろえ、気軽に相談できる対応窓口の体制も考慮したい。各金融機関によって独自の手数料を決めており、年額は3,000~5,000円台。県内各金融機関でも各種キャンペーンを展開中だ。沖縄ろうきんでは「投資信託の手数料である信託報酬やスイッチング(運用商品の売却・解約、他商品への買い替え)にかかるコスト(信託財産留保額)など、長期でコスト面を比べてほしい」とアドバイスしている。各金融機関のサービス内容をよく読み込む必要がありそうだ。


 

公的年金の補完的な制度/受け取りは60歳以降の長期投資

 私的年金であるiDeCoは長期投資が義務づけられている(加入10年以上)。iDeCoの県内受付窓口の一つである沖縄銀行によると「一般には長期運用、分散投資でリスクを軽減できる」と説明する。ある商品の運用が不調でも、他商品でカバーし資産全体のリスクを抑えることができる。iDeCoでは国内外の株式や債券、元本確保型の定期預金などを組み合わせて投資するのが基本。あらかじめ資産が分散されているバランス型投信などの商品も用意されている。ただし定期預金商品は昨今のマイナス金利を鑑みると、管理手数料が利息を上回る場合があるので、状況を見ながら投資配分を考えたい。

 また資産運用のリスク許容度は年代やライフプランによって違ってくる。沖縄銀行では「結婚・独立などの生活スタイルの変化や、教育・住宅資金が必要な時期など、人によってiDeCoに拠出できる金額は変わってくるので始め方が肝心。ぜひライフプランニングから相談してほしい」と呼びかける。

 公的年金の補完的制度であるiDeCo。加入者の対象が拡大し、使い勝手が良くなったことから、加入者は増加すると見られている。非課税枠のメリットは魅力的だが、運用はあくまで自己責任。原則60歳までは引き出せず、中途脱退はできない。公的年金を収めていることが前提であることも忘れてはならない。