2017年(平成29年) 11月18日

大弦小弦

[大弦小弦]「あの時と同じ、変なプロペラの音がします」。12日午後8時15分・・・

 「あの時と同じ、変なプロペラの音がします」。12日午後8時15分、そう記されたメールが届いた。送り主は宜野湾市の中村桂さん(44)。「あの時」とは2004年8月13日、沖国大への米軍ヘリ墜落

▼自宅前にヘリが落ちる直前、中村さんは近づく音の異様さに驚き、生後半年の息子を抱いて飛び出した。玄関を出ると同時に爆発音。無数のコンクリート片が窓を割り、子が寝ていた部屋のふすまやテレビを突き刺した。間一髪だった

▼数年間はヘリの音が聞こえると家事を投げ出し、子に駆け寄った。墜落から12年半。今は「怖いと思わなくなった自分が怖い」と言いつつも、「いちいち気にしていたら生活できない」

▼それでも12日、普天間飛行場周辺での夜間旋回訓練には異常さを感じた。約2時間、家の上を幾度もかすめ飛ぶヘリから響くのは「油を差していないような金属のこすれる音」。不安で買い物に出られなかった

▼市にも29件の苦情があり、「異音」を指摘する声は16件。多くの市民の耳に「あの時の音」は残り、時にうずく

▼沖国大ヘリ墜落を機に日米は「旋回は基地内上空に限定」と合意したが、守ろうとも守らせようともしていない。なのに辺野古新基地計画では「集落上空は飛ばない」などと平気で言う。「あの時の音」を訴える声に、耳を傾けるそぶりすらなく。(磯野直)

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