若手役者の屋比久知奈と蔵元利貴が全国レベルの企画に挑戦し、注目を集めている。「全国拡大版ミュージカル・ワークショップ『集まれ!ミュージカルのど自慢』」で最優秀賞を獲得した屋比久と一人芝居フェス「INDEPENDENT」全国ツアーの沖縄公演で全国から集まる作品を“迎え撃つ”蔵元。新鮮な魅力を発揮する2人に表現者としての抱負を聞いた。

ミュージカルへの思いを広げる屋比久知奈=沖縄市内

自身の芝居について語る蔵元利貴=那覇市・沖縄タイムス社

ミュージカルへの思いを広げる屋比久知奈=沖縄市内 自身の芝居について語る蔵元利貴=那覇市・沖縄タイムス社

「ミュージカルのど自慢」最優秀 屋比久知奈

バレエの基礎 生かす
将来は「舞台の表現者」

 「名前を呼ばれたときは頭が真っ白でした。本当に夢にも思っていなかったので、ただただ驚きと感謝と幸せな気持ちでいっぱいでした」と、屋比久知奈は最優秀賞受賞の瞬間を振り返った。


 幼いころからバレエを練習し、劇団四季の舞台に興味を持った。昨年、東京と沖縄で公演されたミュージカル「H12」に出演したことがきっかけで「のど自慢」への出場を勧められたという。

 全国から2千人余りの応募があり、屋比久を含む24組が、5月30日、東京の帝国劇場で開催されたグランドファイナルに進んだ。

 屋比久はミュージカル「ミス・サイゴン」から「命をあげよう」を歌った。ベトナム戦争を背景にした同作で、故本田美奈子さんが主人公キムの心情を歌い上げたことで知られる曲だ。

 「曲の持つ雰囲気や込められた思いが、初めて聴いたときから強く印象に残っていて、私もこの曲を表現できるようになりたい、ぜひ挑戦したいと思ったことがきっかけです」と話す。「しゃべるようにというか、言葉として聴かせたい」と心がけた。

 将来は、表現者として舞台に立つことを仕事にしたいと希望している。「そのために、これからたくさん学んで成長していきたい」
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 やびく・ともな 1994年沖縄市生まれ。

「INDEPENDENT」公演出演 蔵元利貴

一人芝居 情熱燃やす
「男から女」役に面白さ


 蔵元利貴にとって、5月の一人芝居は初めての挑戦だった。「相手もいないし、評価も自分にくるし、やってみよう」と決めた。
 声が高く、細めの体格という自身のキャラクターを生かして「男から女になる役はどうか」と脚本・演出の山田享楽にアイデアを持ちかけて生まれたのが沖縄公演でも上演する「SEX☆グラデーション」だ。「一人芝居だったら山田さんに書いてほしい」と希望していたところ山田も「ちょうどやらせてみたかった」と意見が合った。
 クラブで多発するレイプ犯を捕まえるため女装して潜入した男がイケメンDJと恋に落ち、男は女に変わり。なぜか子どもができる…。「男の気持ちが変わったので、体も女になったという話。SFっぽいというか、最初はびっくりしたけど、めちゃくちゃ面白かった」
 「INDEPENDENT」の沖縄公演では、全国からの6作品と沖縄で選抜された2作品が上演される。「選ばれたときは、やったと思った。内地の人とやるのはドキドキする」と話す蔵元は「大きな分岐点。レベルアップして突き詰めていかないと」と意気込む。
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 くらもと・かずき 1991年うるま市生まれ。