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  • 沖縄県の安慶田副知事が、県教育庁の幹部人事で介入の疑い
  • 関係者が証言。教育庁人事は教委の専権事項で、大半は見送られた
  • 副知事本人は「教委の権限を侵すようなことはしていない」と否定

 2015年の県教員採用試験で、沖縄県の安慶田光男副知事が特定の受験者を合格させるよう県教育委員会に依頼していた疑いが持たれている問題で、安慶田氏が本年度の県教育庁の幹部人事でも特定の人物を登用するよう介入した疑いのあることが18日、沖縄タイムスの取材で分かった。教育庁人事は知事部局と切り離され、県教委の専権事項とされており、識者は「教育の政治的中立性や安定性が脅かされかねない」と懸念する。一方、安慶田氏は「任命権者が違う。教委の権限を侵すようなことはしていない」と否定している。(社会部・鈴木実)

記者団の取材に答える安慶田光男副知事=18日午前11時半ごろ、沖縄県庁

 複数の教委関係者が証言した。

 関係者によると、安慶田氏は教育庁人事を巡り、複数の特定の人物を教育長などの重要ポストに就けるよう指示した。教委幹部が2016年の年明けごろから副知事室に繰り返し呼び出されたり、強い口調で迫られたりしたという。副知事と同じ宮古島市出身者の登用に偏るなど不自然な点が見られたため、県教委側は抵抗し、大半は見送られた。

 教育委員会制度を巡っては、14年に地方教育行政法が改正され、教育行政に対する首長の権限が強まった。しかし政治による教育統制への懸念も強く、採用・異動・昇任など個別の教職員人事は、教委の専権事項として残された経緯がある。

 教委関係者は「ここまで露骨に知事部局が介入してきたことはなかった。教育に対する敬意や理解が感じられない」と批判する。

 琉球大学の山口剛史准教授は「八重山の教科書採択問題でも、教員の専門性や学校教育への理解が教育行政に不可欠だと示された。人事は学校教育の質的向上のため、子どもに最善の教育を提供するために総合的に判断されなければならない」と指摘。「先生方の実践や経験など、多様な判断基準が人事には要求されるはず。当事者以外が恣意(しい)的に行うのは危うい」と話した。