2003年度に沖縄県内で先駆けて民泊事業に取り組んだ伊江村。村商工観光課によると、15年度は本土の中高生を中心に約330校、過去最高の5万人余りが島を訪れた。16年度は微減の見通しという。村への入域観光客数は15年度約13万6千人で、民泊が4割近くを占めるが、本島の他地域でも同様な取り組みが広がり、「これ以上、民泊の大幅な伸びは見通せない」(同課)のが実情。村は、誘客拡大に向けた新機軸として「スポーツコンベンション」を掲げている。(北部報道部・伊集竜太郎)

本土から中高生らが年間約5万人訪れる伊江島の民泊。港では歓迎や見送りで多くの人が集まる=伊江港(村提供)

 現在、伊江島観光協会と民間企業の「こころ」が取り組む民泊は、関西圏の修学旅行での交通費の割合が減ったことで、17年度から大幅減が予想されていた。しかし、熊本地震で九州地方に修学旅行を予定した学校が沖縄に変更などしたため、事前の予約件数の減少幅が小さくなったと関係者はみる。

 「伊江島ならではの付加価値を」。村は昨年10月、島袋秀幸村長を会長に、村内各団体を網羅した村観光振興推進協議会を発足させ、観光と民泊の専門部会を設けた。関係機関が一堂に会する組織はこれまでなく、17年度中に中長期的な基本計画を策定する。同課は「単に『入域客数を増やせ』ではない。フェリーの運航や宿泊施設など、この島のキャパシティー(収容能力)で現実的に最大何万人を受け入れできるのか目標を明確にしたい」とする。

 新たな観光施策として、島袋村長は昨年完成した多目的屋内運動場に加え、今後、野球場の改修や新たに多目的総合グラウンド、合宿施設を整備した「スポーツコンベンション」を打ち出す。

 本島との差別化を意識し、プロではなく、実業団や大学、高校のスポーツ合宿やスポーツ大会イベントの誘致を目指す。島袋村長は「まず野球で実績を作り、他の競技の誘致にも広げたい」と意欲。「経済効果を高め、ホテル誘致などで雇用増大につなげれば人口減少の歯止めとなる。その基盤作りがスポーツコンベンションの環境整備だ」と語った。

 村内の観光関係者は、フェリーの便数増は必要だとした上で、「民泊だけではやっていけない。ターゲットを絞った伊江島ならではの付加価値のあるイベントをシーズンごとに開催するなど、質のある息の長い取り組みが必要だ」と話している。

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 那覇市久茂地のタイムスビルで20日から開催されるふるさと元気応援企画「いめんしょり伊江島んかい 観光・物産と芸能フェア」を前に、伊江村の主要産業である観光と農業の課題と展望を探る。