毎日のように、角・結膜異物で眼科を受診される方がおられます。角膜(黒目)に付着した鉄クズや、結膜(白目とまぶたの裏)の多種多様な異物があります。

 鉄クズは1ミリもない小さなものが多く、電動金ノコでの鉄の切断、サビ落とし、溶接中などに、角膜に鉄クズが飛び込み、刺さり、洗ったくらいでは取れません。涙はいわば塩水と同じですので、入ってから2~3日でサビてくると炎症を起こし、痛みが強くなってから受診される方が多いようです。

 治療は点眼麻酔後、異物針で取り除き、サビの部分は、専用の極細の電動ドリルで、完全に削り取りますが、まれに薄茶色の濁りが残ったり、傷痕が変形したりして乱視になってしまうこともあります。これがたまたま角膜の中央に起こると、永続的な視力低下を来すこともあり、決して安易に考えてはいけません。作業中に保護メガネを装用すること、異物が入ってしまったら、早めに眼科を受診することを心がけてください。ちなみに、鉄クズによる角膜異物は職業柄ほとんど全てが男性で、リピーターも多いです。

 角・結膜異物の多くは涙や流水で流れ去るものですが、やっかいなのは、まぶたの粘膜の裏側に食い込んでしまった異物です。こうなると、顔を水につけて目をパチパチさせても取れません。木クズ、鉄クズ、草の種、小さな昆虫の羽、砂、自らのまつげなどさまざまです。まぶたの裏の異物がまばたきの度に角膜を傷つけ、痛さのあまり目も開けていられないような場合もあります。

 まぶたをひっくり返すとすぐに見つかるものですが、粘膜内に深く刺さった、毛虫(?)の折れた極細の毛や、オクラ、キュウリなどの、まるで昔の忍者が使ったマキビシや防波堤の消波ブロックのような形の透明な植物性のトゲ、スクラブ洗顔剤に含まれる極小の透明なビーズなど肉眼では決して見えない異物もあり、角膜・結膜についた傷の位置、状態から必ずそこに何かがあるはずだという確信を持った上で、眼科用の顕微鏡でよく見て初めて見つけられるようなものもあります。

 結膜異物は除去した途端、劇的に症状が改善しますので、単純な作業ながら、医師も患者さんも満足度の高い治療の一つです。角・結膜とも異物除去後の感染防止や、炎症に対して点眼薬を(痛みが強い時は内服の鎮痛剤も)処方しますが、通常数日以内には完治します。

 目に何かが入ったと思ったら、決してこすったりせず、軽く洗っても取れない時は、お早めに眼科を受診して下さい。(宮良長治 宮良眼科医院)