琉球大学大学院理工学研究科などの研究グループは19日までに、サンゴが骨格を作る際の細胞群の動きを詳細に捉えることに成功したと発表した。骨格形成(石灰化)のため、生きたサンゴが、水素イオン濃度を能動的に調整する様子が世界で初めて確認された。研究チームは、将来的に白化現象に伴うサンゴの成育阻害の原因解明の研究につながると期待している。

サンゴ(コユビミドリイシ)の体内にある「石灰化母液」で骨が作られる様子。黒色の造骨組織の主成分は炭酸カルシウム(提供)

 同大の理学部海洋自然科学科の中村崇准教授(41)の指導のもと、同大学院3年次の大野良和さん(30)や、国立沖縄工業高等専門学校、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、産業技術総合研究所などが共同で実験を進めた。

 サンゴの骨格は体内の「石灰化母液」とよばれる水素イオン濃度指数(pH)が8・5~9・0程度に維持された場所で作られる。これまでの定説では、同液のpHはほぼ一定で、サンゴが積極的に調整をしているとは考えられていなかった。研究グループは、コユビミドリイシ周辺の海水のpHを低下させた数分後に、サンゴが能動的に石灰化母液のpHを上昇させる現象を捉えた。

 中村准教授は「サンゴ体内において、どのような仕組みがいつどこで働くのかを見極めることが可能となる。気候変動などの影響を受け、サンゴが厳しい環境条件に対応しつつ成長を維持するために必要なメカニズムの解明とその応用が期待できる」と話した。研究成果は英国科学誌「Scientific Reports」に日本時間18日午後、掲載された。