しまくとぅばを知ることの大切さを伝えるテレビCMが現在、県内の民放テレビ3局で流れている。沖縄県によるテレビCMだ。県が、しまくとぅばの普及や推進に向けてテレビCMを制作するのは初めてだ。県文化振興課の茂太強課長は「音声や映像を通して、文字では伝わらないインパクトのある方法で表現したかった」とCM放映の狙いを語る。(政経部・比嘉桃乃)

県が、しまくとぅば普及のために初めて製作したテレビCMの一場面

しまくとぅばCMを作成した県文化振興課の茂太強課長(右から2人目)と職員=日、県庁

県が、しまくとぅば普及のために初めて製作したテレビCMの一場面 しまくとぅばCMを作成した県文化振興課の茂太強課長(右から2人目)と職員=日、県庁

 年配の女性が突然顔をゆがめ、「あが…」と言いながらかがみこむ。すると、女子高校生3人組が「おばあちゃんどうしたの?」と女性に駆け寄る。女性は「がまくぅぐゎーぬ やんでぃよー あっちん あっからんどぅ あんでぇー(腰のあたりが痛くて歩こうとしても歩けないのよ)」と腰の痛みを訴える。だが、女子高校生は女性が話す言葉の意味が分からず、どうしたらいいのか戸惑ってしまう…。

 県が制作したCMの一場面だ。

 CM放映開始後、県文化振興課には「あのイントネーションは違うんじゃないか」という問い合わせがあった。茂太課長は「見てくれているからこそそういう声がある」。指摘や賛否を含め、反響があることに手応えを感じている。

 7日に、石垣島で開いたしまくとぅば啓発イベント。来場者を対象としたアンケートには「CMを見て、しまくとぅばの重要性が伝わった」とする声が半数以上あった。

 茂太課長はCMを通して「若い人たちに言葉を知らないことへの危機感を持ってもらいたかった」と話す。見た人たちに「祖父母世代と孫世代のコミュニケーションが大切なことを感じ取ってもらえれば」と期待を込めた。

 若い世代はしまくとぅばについてどう思っているのか-。CMに出演したのはダンスボーカルユニット「viviange」のメンバー3人。「もっとしまくとぅばを学びたい」。CM出演を機に意識が変わった。

 玉城日菜乃さん(18)=宜野湾市=は、父親が伊是名島出身。「家でもしまくとぅばを話すお父さんに言葉を教えてもらう機会が増えた」。家族とのコミュニケーションの時間も増えたという。

 宮國夕華さん(17)=浦添市=は「しまくとぅばの日(9月18日)があることを初めて知った」と驚き顔。平川かれんさん(18)=うるま市=は「97歳のひいおばあちゃんと直接しまくとぅばで話せるようになりたい」と笑顔で目標を話した。

 CMはこのほか、「就職面接」編と「かなさん」編があり、3月26日まで放映される。県は今後、みゃーくふつ(宮古島)や、やいまむに(八重山)、どぅなんむぬい(与那国島)といった地域ごとのしまくとぅば普及CMを制作予定だという。