しまくとぅばプロジェクト2016「鼎談(てぃだん)・ないるかじり しまくとぅばっし かたてぃんじゃびら『伊波普猷』」が15日、県立博物館・美術館であった。沖縄学の創始者・伊波の思想や課題を、研究者らがしまくとぅばだけで約3時間語るユニークな取り組みに約100人が詰め掛けた。伊波の思想を、登壇者が生活実感を込めてしまくとぅばで生き生きと表現した。主催沖縄美ら島財団。

しまくとぅばで伊波普猷の思想について語る登壇者=県立博物館・美術館

 伊波を研究する伊佐眞一さん(沖縄近現代史家)が沖縄の近代、伊波による沖縄学について報告。明治政府による琉球処分で、政治や文化、暮らしもヤマト風に変わった結果、沖縄の人々が「どぅーがどぅーやら、まーぬたーやがんでぃ わからんなてぃいちゅん(自分自身がいったいどこの誰か分からない)」と説明した。

 激動の近現代を生きた伊波が着目した沖縄の個性。伊佐さんは「うちなーんちゅが、むっちょーるタマシんりしぇー、たーちとぅねーらん(沖縄の人の精神性は他と比較しようがない)」と表現した。しかし「日本帝国、ヤマトぬなーかんかい、あてぃ決まいん。日本ぬ国離れてー、ないるむんあらん」と述べ、個性は日本との関係性において発揮されることが前提だったと指摘した。 

 第2部では、屋嘉宗彦さん(法政大学名誉教授)、比嘉豊光さん(写真家)も加わり、仲田幸司さん(阪大大学院在学)のコーディネートで、伊波の思想が現在沖縄にいかに影響しているかを、しまくとうばで討議した。