沖縄県うるま市伊計島の米軍ヘリ不時着現場で、日本側が規制責任を負う区域での報道陣の取材を巡り、米軍側が難色を示していたことが21日、分かった。

農道に不時着した米軍ヘリの点検をする米兵ら=21日午前10時半ごろ、うるま市与那城伊計島

 不時着した20日夜、県警が張った外周規制線は、機体から最も近い場所でも約100メートル離れていた。周辺は暗闇で機体の様子が確認しづらかったため、報道陣は午後10時半ごろ、県警に対し、撮影を目的に規制区域の通行許可を要請した。

 県警側は内諾したが、関係者によると米軍側は「ライトを照らさせるな」「機体正面の撮影は認めない」などと主張。国や軍を交えた調整が長引き、報道陣に一部立ち入りが認められたのは約2時間後だった。

 米軍機事故が発生した場合、機体周辺を日米が、その外側を県警が規制する取り決めが交わされているが、昨年12月のオスプレイ墜落事故でも米軍側は県警管理の規制区域で記者を締め出すなど、「取り決め違反」をしている。県警関係者は「米側には一切撮らせたくないという雰囲気があった」と指摘する。

 沖縄国際大学の前泊博盛教授は「現場の米兵は法的な決まりは関係なく、上の命令が全て。領土内の問題が『アメリカファースト・ジャパンセカンド』になるのは、地位協定でそう認めているからだ。これを改定しない政府は主権国家の矜持(きょうじ)を持ち合わせていない」と批判している。

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