任期満了に伴う宮古島市長選が22日投開票され、現職の下地敏彦氏(71)=自民推薦=が、新人で前県議の奥平一夫氏(67)=民進推薦=ら3人を下し、3選を果たした。

 保守系が下地氏ら2人、翁長雄志知事を支える陣営も奥平氏ら2人に分裂し、4人が立候補するという異例の選挙戦。国が宮古島に計画している陸上自衛隊のミサイル部隊配備問題や2期8年の市政運営が争点だった。

 下地氏の最大の勝因は、何と言っても、官邸と自民党本部の関係者が現地入りし、建設業者を中心にてこ入れしたことが大きい。

 下地氏はスポーツ観光交流拠点施設など大型事業を次々手掛けた。経済の活性化は、島に多く存在する建設業者が下支えするとの考えからで、それが選挙においても功を奏した形だ。

 陸自配備問題で、防衛省は地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊、警備部隊の700~800人規模を駐屯させる計画。

 下地氏は昨年6月、具体的計画が明らかでない段階で「中国の脅威」を前面に押し出して受け入れを表明した。

 しかし配備先の「千代田カントリークラブ地区」の「千代田部落会」と近接する「野原部落会」が反対決議をしていることからも明らかなように、最低限必要な地元の同意も得られていない。

 不安を訴える地元に対し国の情報開示は不十分だ。強引に進めるようなことがあれば混乱を招くだけである。

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 下地氏は陸自受け入れを正式表明する1年以上も前から防衛省と水面下の交渉を進めていたことが分かっているが、当初、この事実を否定していた。宮古島の将来を左右する可能性がある重大な決定にもかかわらず、決定過程が不透明なのである。

 下地氏には行政の透明化と情報公開を求めたい。

 2014年度に一括交付金を利用した観光プロモーション事業で業者との契約過程に疑義があり、市議会の百条委員会で真相究明中である。

 市職員と業者が不法投棄ごみの処理量を改ざんした問題も発覚するなど不祥事が続いている。保守系を含め候補者3人全員が「市政刷新」を求めたのは下地市政への批判にほかならない。

 ハコモノ事業を重視し、福祉や教育面が手薄との指摘があるのを下地氏はきちんと受け止めてもらいたい。同市は11市の中で唯一、人口減少に歯止めがかからない。若者が定住できる施策が必要だ。

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 最大の政治決戦となる来年11月の知事選を考えると、翁長陣営にとって今年最初の市長選を落としたダメージは大きい。選挙後の懸念も残る。知事を支持する地元の選考委員会は別の候補者を擁立していたが、翁長知事は選考委が推す候補ではなく、奥平氏の応援に回った。告示前後の2回にわたって現地入りし、県政との連携を訴えた。選考委からは反発の声が上がった。

 県政与党・会派の対応も割れた。簡単に「ノーサイド」(翁長知事)というわけにはいきそうにない。関係修復の作業が急務だ。