【連載「働く」を考える】

 離島で暮らす玉城泉さん(33)は昨年11月、育児休業から職場復帰する予定だった自動車整備会社を解雇された。

「少子化が問題になっているけど、子どもが多いと煙たがれるのが現実」。玉城泉さんは実感を込めてそう語った

 事務担当の正社員として4年働き、1年間の産休・育休を経て、「これから勉強して、経理の仕事に挑戦したい」と意気込んでいた矢先だった。

■    ■

 発端は9月。市の認可保育園に申し込んだが、待機が多く、入所できないかもしれないと告げられた。育休を延ばせるのか、延ばせないなら義母にお願いして預かってもらおう-あれこれ対策を考え、まずは会社に相談しようと連絡した。

 「保育園が決まらないのであれば、子どもも小さいのだから、9月いっぱいで退職したら」。社長の突然の言葉にパニックに陥った。

 その後、保育園に入所できることになって胸をなで下ろしたが、「年末にかけて忙しくなる時期に子どものことで休まれても困るから、9月で終わりなさい」と再度、退職を促された。

 さらに事態が急展開したのはその数日後。「パソコンの不正操作が発覚したので、あなたは自主退社するべきだ」というメールが会社から送られてきた。

 寝耳に水、玉城さんにはまったく身に覚えがないことだった。

 不正操作があったのは1年以上前だという。だが玉城さんが勤務していない日時も含まれていた。当時、社内ではパソコンの不具合によるトラブルが再三、起きていた。「思い当たることがない。調査してほしい」と会社に求めた。

 調査で、玉城さんが不正操作したという証拠は出なかった。会社は間違いを認めたが、謝罪はなかった。それどころか別のことを持ち出して玉城さんの不正を主張。解雇予告を通知した。このまま会社にいても消耗するだけだと、玉城さんは解雇を受け入れた。

■    ■

 「やはり、子どものことが理由ではないか」。玉城さんには1歳の子を含む4人の子どもがいる。不正の件は後付けで、子どもの急病などで休みがちになるだろう自分を辞めさせる口実だったのではないかという疑念が強く残った。

 労働基準監督署に訴えたが、「介入できない」として、裁判や県労働委員会での斡旋(あっせん)を紹介された。

 育児・介護休業法や男女雇用機会均等法は、育児休業などを理由に事業主が解雇など、労働者に不利益な取り扱いをすることを禁じている。法テラスや弁護士に相談し、会社と裁判で闘うことを考えた。

 だが最終的に断念した。団体職員の夫の給与は15万~18万円で玉城さんが働かなければ生活できない。目の前のことを考えると経済的、時間的な余裕はなく、諦めざるを得なかった。

 「子どものいる女性は働いたら駄目なのか」。今も悔しさが玉城さんの胸から消えないでいる。(文中仮名)(学芸部・高崎園子)

 

あなたの働き方、教えて下さい

 沖縄タイムスは、連載「『働く』を考える」に合わせ、働き方に関するアンケートをホームページで実施しています。あなたの働き方や不満、疑問に思っていることをお聞かせください。(※沖縄県内で働く人が対象です)

 アンケートのページはこちら