沖縄県宮古島市長選は来年の知事選の情勢に影響を与える首長選挙の先駆けとして注目され、県政野党の自民は推薦した下地敏彦氏の当選を勝ち取り、2月の浦添と4月のうるま市長選に勢いを得た格好だ。名護市辺野古の新基地建設に反対する翁長雄志知事と「オール沖縄」を構成する県政与党は、それぞれ別の候補を推した分裂選挙で苦杯をなめ、今後にしこりを残しかねない痛撃となった。

【資料写真】沖縄県庁

 「オール沖縄」勢力は社民、社大が地元の選考委員会が選出した下地晃氏を推薦する一方で、翁長知事は元与党県議として協力したことなどを理由に奥平一夫氏を応援。一本化は実現せず、知事は与党が難色を示す中で現地に2回応援に入りテコ入れを図った。

 知事サイドは選挙後は「ノーサイド」として、浦添やうるまに向けた勢力の結束を図りたい考え。だが、社民、社大の中には県政を支えているにもかかわらず政党として看板を傷つけられたとの遺恨を口にする幹部もおり、関係修復は容易ではない。

 名護市辺野古新基地問題への影響も大きそうだ。知事の埋め立て承認取り消しを巡る訴訟は最高裁判決で県が敗訴した。県政は知事の持つ別の権限を行使し行政手続きで阻止を実現する考えだが、その最大の後ろ盾は「民意」だ。2014年の衆院選、16年の県議選、参院選では辺野古反対の民意が示された。一方で、市長選では知事が応援した候補が16年1月の宜野湾に続いて敗れ、辺野古阻止のマイナス要因となる可能性もある。

 自民は「オール沖縄」に対抗する保守系9市長でつくる「チーム沖縄」のトップを務める下地氏を守りきった。

 ただ、県連の宮古地区支部長を務めていた座喜味一幸県議が、保守の対立候補を応援するため離党した上での辛勝という側面もある。全県を舞台にした集票合戦となる知事選を考えれば、挙党態勢の再構築が課題として残っている。(政経部・銘苅一哲)