第2次世界大戦中に退任した沖縄県知事を描いた劇「いっとーばい-逃げた知事 泉守紀」(おきなわ芸術文化の箱主催)の試演が28日午後3時から、浦添市の宮城公民館である。作者の安和学治は「ひきょうと評される人物を別の角度からも捉えられる物語にした」と狙いを語る。入場無料(定員100人)。 

劇「いっとーばい―逃げた知事 泉守紀」の脚本を手がけた安和学治=那覇市・沖縄タイムス社

 安和は泉について書かれた著作や関連する書物などを読み込んで脚本を書き上げた。 泉は1943年に赴任するが、任期中にたびたび軍部と対立した。出張先から戻らないまま、45年1月に島田叡(あきら)が後任として県知事に就任。激戦必至の沖縄に赴き、命を落とした島田と対極的な存在として泉は語られることが多いという。

 「彼は良くも悪くも己をもっていた。軍部の言いなりにならなかったことも確か。逃げたことも確か。世間が軍国主義に染まる中、こんな人物がいたことを知ってもらうことが目的の一つ」と望む。

 泉役を川上真輝、妻役を棚原裕子が務め、県内舞台で活躍する犬養憲子、古堅晋臣らが脇を固める。16歳から40代まで総勢23人の所属が異なる多彩なキャストが出演。

 演出は劇艶おとな団主宰の当山彰一。劇作家・演出家として全国で活躍する畑澤聖悟に監修を依頼し、脚本と演出のかじ取りを任せた。

 本公演は6月に那覇市のてんぶすホールで予定している。問い合わせは、電話090(2507)0225、メールはoact@otonadan.com

劇「いっとーばい-逃げた知事 泉守紀」の脚本を手掛けた安和学治=那覇市・沖縄タイムス社