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  • 沖縄県農業研究センターなどがゴーヤーの全遺伝情報の解読に成功
  • 血糖値の降下や抗ウイルス作用に関する遺伝子が多く存在していた
  • 「苦み少なく」「ビタミンC豊富」など需要に応じた新品種開発も可能

 沖縄県農業研究センター(糸満市)は24日、世界で初めてゴーヤー(ニガウリ)の全遺伝情報(ゲノム)の解読に成功したと発表した。遺伝情報を利用することで高収量や高機能性など有用な特徴を持つ品種の育成の効率化や、ゲノム情報に基づいた栄養補助食品の開発なども期待できるという。

ニガウリゲノムの研究成果が載った「DNA Research」誌を示す浦崎直也上席主任研究員(左端)ら研究スタッフ=24日、糸満市真壁・県農業研究センター

 一括交付金を活用した2012~17年度の「次世代沖縄ブランド作物特産化推進事業」の一環。同センターと信州大学、岩手生物工学研究センターが共同研究した。

 同センターによると、ニガウリゲノムには約4万6千個の遺伝子があり、今回、耐病性や性の決定、機能性成分の合成などにかかわる遺伝子の候補が分かった。

 さらに、同じウリ科のキュウリやメロンなどに比べ、血糖値の降下に関する遺伝子や、抗ウイルス作用に関する遺伝子がそれぞれ多く存在していた。成果は昨年12月、国際科学専門誌「DNA Research」に掲載された。

 今回解読した系統のニガウリのゲノム配列と、病気に強いニガウリや高生産性のニガウリのゲノム配列を比べることで、それぞれの性質に特有のゲノム配列が分かる。

 この特有配列(DNAマーカー)の有無を調べれば、畑に植える前の苗の段階で耐病性や高生産性を判断できる。通常、10年程度かかる新品種の育成期間を3~5年に短縮することが期待されている。

 また、DNAマーカーをもとに交配組み合わせを決めることで「苦みを少なく」「ビタミンCが豊富」―など多様なニーズに応えた新品種が開発可能になり、他産地との差別化も図れるという。

 同センターは「今後、県の特産野菜としてブランド化し、生産者や市場のニーズに対応した新品種の育成を図っていく必要がある」とした。