「まったく予想外」「観光資源になる」-。沖縄県北谷(ちゃたん)町の平安山原B遺跡から沖縄で初めて東日本の大洞系(おおほらけい)土器が出土したことに、地元の教育、観光関係者から喜びの声が上がった。

出土した「大洞系土器」について説明する北谷町教育委員会社会教育課文化係の(写真右から)山城安生さん、米須健さん、東門研治さん=24日、北谷町役場

 記者発表が行われた北谷町役場。「正直信じられない」。町教委の担当者は東北を中心に栄えた文化圏の土器とわかった時を振り返り、表情を崩した。「東北の人にも同じようなインパクトがあるはず。あちらでも沖縄のものが出るか検証が必要だ」と、縄文晩期当時の人や物の動きを解明したいと力を込めた。

 町教委の川上啓一教育長は「海を越えた命がけの交流をしていたのが私たちの祖先。子どもたちが歴史に興味を持つきっかけになれば」と期待。出土現場近くには博物館を建設予定。「古代ロマンを身近に感じる施設に整備したい」とした。

 考古学界も出土を歓迎した。町文化財審議委員会委員長で、沖縄考古学会の知念勇顧問は「まったくの予想外」と喜んだ。町内では装飾品に使われた新潟県糸魚川産の翡翠(ひすい)が出土しているが、今回は生活用品の土器。「多くの人が使うもの。東北との関わりの強さを示している」と意義を強調した。「本土との交流が活発な時期に北谷は拠点だったはずだ。どうしてそうなったのかとても興味深い」とさらなる解明に期待した。

 「自然やショッピングに加え、歴史資源が増えて素晴らしい」と声を弾ませたのは町観光協会の渡眞利聡会長。「土器の産地が解明したら交流したい」と全国に発信できる観光資源になることを望んだ。