2017年(平成29年) 12月11日

沖縄タイムス+プラス ニュース

沖縄サッカーキャンプの見どころ、醍醐味は スポーツライター・仲本兼進さんに聞く

 県は2010年度からサッカーキャンプの誘致事業を始めましたが、事業の受託先のFC琉球で当時GMだった田部和良さん(故人)の存在を忘れてはいけません。沖縄にサッカーが根付いていないのを気にかけていた田部さんらの「子どもたちに生のサッカー見せたい」という思いも原点になった。思いが引き継がれ、これだけキャンプが広がったことを考えると感慨深いものがあります。

仲本兼進さん

 選手に沖縄の印象を聞くと、海など「自然」のキーワードが出てきます。温暖な天候も選手が喜ぶポイント。集中できる環境として良いということです。

 子どもたちには一流選手のボールのさばき方やパスのスピードなど技術面のほかにもチーム内でのコミュニケーションの取り方を見てほしい。Jリーグの監督はS級ライセンスを持っている指導のプロ。練習メニューなど県内の指導者の学ぶ機会にもなります。

 練習を終えた後の選手との交流も醍醐味(だいごみ)。「J1だから」といって規制が厳しいということはほとんど無い。ファンとのふれあいも大事にしているチームが多いですから。注目チームがあるかと聞かれれば、ほとんどが注目チームです(笑)。

 例えば浦和はGKから全てのポジションに日本代表がいる。そのほか、J1の上位もいる。県勢で言えば、J2讃岐の我那覇和樹ら5人も注目ですし、昨季、FC琉球の主将だった田中恵太もJ2水戸の一員として帰ってくる。どのチームも「見に行きたくなる」きっかけや話題に事欠きません。

 スター選手の「爆買い」が伝えられる中国スーパーリーグのチームには世界クラスのメンバーがいる。

 リーグ6連覇中の広州恒大のコロンビアの選手マルティネスは2014年のブラジルW杯日本戦で2ゴールを挙げた選手です。同じチームの監督はブラジル代表を率いた経験のあるルイス・フェリペ・スコラーリ。江蘇蘇寧のラミレスは2014W杯に出場したブラジル代表で監督はJでもプレー経験のある韓国のチェ・ヨンス。天津泰達には現役ナイジェリア代表のミケルもいる。石垣市でキャンプする杭州緑城の監督は韓国サッカー界の英雄として知られるホン・ミョンボなんですよ。

 Jも楽しめるが、世界を感じている選手や監督がこの時期に沖縄にいるのはすごいな、と。欧州チャンピオンズリーグで活躍した選手が見られる可能性があるのは普通なら国内でも考えられないことですよ。

 今後もこの流れは続いていくことでしょう。だが、これだけのチームが来ているのに発信不足を感じるのも事実です。キャンプにも言えることですが、「沖縄のサッカー」の発信力を高めていくには沖縄のチームが頑張ってもらわないと。上のカテゴリーで活躍する沖縄のチームが出て発信力を高めることは、キャンプ地としての沖縄のネームバリューを上げることにもつながると思うんです。

 県内のサッカー熱がさらに高まれば、キャンプもさらに盛り上がるはずです。


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 【プロフィール】なかもと・かねのぶ 1978年生まれ。那覇市出身、豊見城市在住。38歳。琉球放送を経てフリーランスに。サッカー、野球、バスケットボール、ハンドボールなどスポーツを中心に執筆。地域FM局でスポーツ実況も行っている。

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