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  • 教員採用を巡り県教委には「合格依頼」が後を絶たない状況という
  • ある幹部経験者は議員の親族の依頼を受けたが拒否したと明かす
  • チェック体制を強化してきたが、再発防止の仕組み作りが不可欠

 安慶田光男前副知事による合格依頼の働き掛けがあったとされる教員採用試験。県教育委員会は事実を認めた上で、試験結果への影響はないと説明した。採用試験は過去に選考過程の不透明さやチェック体制の甘さが指摘され、不正やミスの余地がないよう改善を重ねてきた。だがある県教委幹部経験者は、有力者などからの採用依頼は「これまでにもあり、今回に限った話ではない」と明かし、再発防止策の必要性を強調する。

沖縄県庁

 県教委幹部経験者の1人は現職時代を振り返り、「第三者を通じて、議員の親族の採用依頼を受けたことがある。当然応じなかった」と打ち明ける。「不正は絶対に無理、とは思わない。どんな制度にしても最後は職員の倫理観に掛かっている」と強調。別の幹部経験者は「さまざまな形の依頼は少なからずあったが全て拒否した」と話す。

 県教員採用試験は2007年、143人の追加合格者を出す前代未聞の採点ミスが起きた。担当者が1次試験の配点を間違って指示したほか、正答を誤答と指定した単純ミスが原因。チェック体制の不備と職員意識の問題が露呈し、県教委は試験問題や解答の積極的な公表、詳細な業務マニュアルの作成を決めた。

 08年、大分県で教員採用試験の汚職が発覚したことを受け、沖縄県教委は(1)問題や解答、配点の公表(2)業務マニュアルで担当職員の役割を明確化(3)受験番号や点数などのデータを複数で共有、チェック-の改善策を講じた。関係者は「幹部でも結果を操作する余地はない」と口をそろえる。

 それでも「合格依頼」は後を絶たない。別の元教育庁職員は、今回の前副知事の働き掛けを「依頼者の立場が大きな問題。副知事という地位を利用すればどう喝と同じ。断るには大変な労力が必要で、あってはならない政治介入だ」と批判し「再発防止の仕組みづくりが不可欠だ」と語る。

 元教育長の津留健二・沖縄女子短大教授は「今回の問題は非常に残念。試験結果や人事で県民に少しでも疑念を抱かせてはいけない」と強調。「働き掛けを毅然(きぜん)とした態度で拒否すれば、やがて依頼自体がなくなる。それが最大の再発防止策だ」と提言する。