沖縄で基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センターの山城博治議長の勾留が3カ月以上に及んでいます。

 山城議長は、東村高江のヘリパッド建設や名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動で、公務執行妨害などの容疑で逮捕されました。

 釈放を求める国内外の有識者や市民グループは「反対派リーダーを長期間拘束することで抗議行動を萎縮させようという思惑がある」と指摘します。これまでの経緯をまとめました。

 

2016年10月17日、有刺鉄線2本をペンチで切った疑いで逮捕

“山城議長は17日午後3時半ごろ、北部訓練場内で、ヘリパッド建設工事現場への進入を防ぐために設置されたフェンスの上に張られた有刺鉄線2本を、ペンチのようなもので切って壊した疑いがある。”
市民運動リーダー逮捕、有刺鉄線2本切った疑い 高江ヘリパッドに反対(2016年10月18日)

“女性はその時の様子について「急な斜面から引きずり降ろし、山城議長から私たち市民を引き離していった。機動隊員の数があまりにも多く怖かった」と振り返る。”
「連れて行かないで」 急斜面、飛び交う怒号 伏線あったリーダー逮捕(2016年10月18日)

“「リーダーである山城さんの狙い撃ちだ」。県幹部は、山城議長逮捕の一報を聞き、不快感を示した。実際、この「狙い」は防衛省関係者の間で以前から語られていた。関係者の一人は、市民らが訓練場内での直接抗議行動を起こし始めた9月下旬「まずは山城氏を逮捕し、反対運動を収束させるべきだ」と周囲に語っていた。”
<高江逮捕の背景>工事遅れ、いら立つ国 「狙い撃ち」で反対運動収束図る(2016年10月18日)

米軍北部訓練場から出てきた市民を拘束しようとする機動隊員ら=17日、東村高江・N1地区表ゲート付近

 

3日後再逮捕 8月に防衛局職員に打撲を負わせた疑い

“8月25日、通称「N1裏地区」で工事現場への侵入防止フェンスを設置していた男性職員の腕を強くつかみ、肩をつかんで激しく揺さぶる行為などで頸椎(けいつい)捻挫と右腕打撲のけがを負わせた疑い。”
山城議長を再逮捕 公務執行妨害・傷害容疑で(2016年10月21日)
平和運動センターの山城博治議長ら2人を起訴 那覇地検(2016年11月11日)

 

さらに10カ月前の行動で11月29日に3度目の逮捕 

“逮捕された4人は新基地建設の工事を阻止するため、今年1月28日午後2時5分ごろから30日午前8時41分ごろにかけ、シュワブゲート前にコンクリートブロック1400個余を積み上げ、工事を請け負った業者の資材搬入や沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。”
辺野古で山城議長ら4人を逮捕 威力業務妨害の疑い(2016年11月29日)

 

なぜ今逮捕? 抗議行動を萎縮させる狙いか

“それにしてもなぜ今、10カ月も前の抗議活動に対し、公権力を行使するのか。年内にもキャンプ・シュワブ陸上部分の隊舎工事が再開される。感じられるのは、さまざまな理由をつけて反対派リーダーを長期間拘束することによって、抗議行動を萎縮させ、一般市民との分断を図ろうとの思惑だ。”
社説[山城議長また逮捕]露骨な政治的逮捕劇だ(2016年12月1日)

“国の側にも似た「容疑」がある。防衛局は無許可で貴重な森を切り開き、機動隊員は強制排除で市民に無数の打撲を負わせ、記者を拘束して取材を妨害した。これらを県警は不問にし、正当化さえしている。”
<記者の視点>警察国家の入り口に・・・辺野古抗議で一斉家宅捜索と市民逮捕(2016年11月30日)

山城議長の逮捕容疑の発生と逮捕日時

 

靴下さえ認めない県警 健康状態を心配する声

“オーストラリア国立大学のガバン・マコーマック名誉教授ら海外識者10人が「山城博治氏らの釈放を求める」声明を発表。「長期の拘留で山城氏の健康状態は悪化している」と深い懸念を示した。”
勾留2カ月「健康状態が心配」 基地反対運動リーダー釈放求め声明(2016年12月18日)

“新基地建設への反対運動に絡んで逮捕、勾留されている人たちに沖縄県警が靴下の差し入れを認めないのは「ひどい」「寒い」と訴える「くつしたdeアクション」が10日、名護署前で開かれた。”
「靴下の差し入れ認めて」「パンツと一緒」 県警に100人が訴え(2016年12月11日)

“名護署で長いものから短いものまで3種類を示して交渉し、短いものだけが認められた。「山城さんは大病を患ったばかりで足元の冷えが心配だった。大きな勝利だと思う」と喜んだ。”
勾留中の山城議長へ、靴下の差し入れ実現 県警が認める(2016年12月21日)

靴下を掲げて差し入れの許可を求める市民=10日、名護署前