麿赤兒&大駱駝艦(だいらくだかん)の「クレイジーキャメル」公演が28、29日午後6時から、世界遺産の中城城跡野外特設ステージである。2人の女子学生と1人の男子学生の人生をビバルディ作曲の「四季」に乗せて紡ぐ。2012年にパリで初演され、国内外を巡演、高い評価を得てきた「舞踏仕立ての金粉ショウ」は、今回の沖縄がラスト公演になるという。麿は「長い時間と場所の魂を受け入れて踊りたい」と話している。

沖縄初公演の「クレイジーキャメル」への意気込みを語る麿赤兒=那覇市・沖縄タイムス社

 中城城跡を訪ねた麿は「壮大でインスパイアされた。時間と場所を受肉(じゅにく)しながら踊る」。空っぽのダンサーの身体に、その場所の歴史や時間、空間など全部を受け入れて踊るという。「野外でもあり、劇場と違ったプラスαが重層して、お客さんにはその層の迷宮をさまよってほしい」と語った。

 メインとなる音楽の「四季」には「人生の四季でもあり、人類の四季でもある」との意味を持たせる。麿の役どころは女学生だ。「中学生くらいか。思春期で未来や存在の不安などを抱えている。失われた時を求めて女学生になってみようと考えた」という。

 「いい年のじいさんがやったってどうしようもないところがあるが、そのずれがまた面白い。それこそ異化効果ですね。グロテスクに見えたりエロチックに見えたりして、それは少女ならではの多様性があるだろう」と話す。

 「クレイジーキャメル」では金粉で全身を塗ったダンサーの群舞が特徴だ。「仏像のように見えたり、近未来の新しい人間のようにも見えたりする。過去と未来が背中合わせにくっついているようなおもしろさ」。白塗りのダンサーも登場する。「白も変貌するというか。変容するという意味では変わらないが、陰影がはっきりする。プリミティブな意味合いもある。なにかに変容したいという人間の欲望は昔からあると思う」と説明した。

 大駱駝艦は今年旗揚げ45周年を迎え、節目の公演を計画。来年には東京の新国立劇場での初めて新作を上演するなど、活動はますます活発だ。

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 第1回中城演劇フェスティバル招聘(しょうへい)作品「クレイジーキャメル」の入場料は4000円。問い合わせはピーエムエージェンシー、電話098(898)1331。

 まろ・あかじ 1964年より舞踏家・土方巽に師事し、唐十郎らの劇団「状況劇場」設立に参加。72年に舞踏カンパニー「大駱駝艦」を旗揚げ。舞踏に大仕掛けを用いたスペクタクル性の強い様式を導入。現在、スタジオ「壺中天(こちゅうてん)」を拠点としている。2006年度文化庁長官賞、13年ダンスフォーラム賞・大賞、16年第64回舞踊芸術賞受賞。