2017年(平成29年) 11月20日

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SACO合意あるのに津堅島沖でパラシュート訓練 国の言い分は…

 沖縄県うるま市の津堅島沖で12日、米軍が市や自治体に事前通知した日付を誤ってパラシュート降下訓練を実施した。うるま市や市議会は、1996年に日米両政府がSACO合意した「伊江島集約」とは違う津堅島沖での訓練に、これまでも抗議を繰り返してきた。地元の抗議に対し、沖縄防衛局は在沖米軍の使用条件を記した「5・15メモ」ではパラシュート降下訓練に触れられていないことを理由に「訓練を禁止するものではない」との見解を示す。地元住民は「訓練は既に恒常化している」「生活への影響が理解されていない」と不安を漏らす。(中部報道部・松田麗香)

津堅島訓練水域で米軍が実施したパラシュート降下訓練=2015年8月20日、中城湾(リムピース提供)

 津堅島訓練水域は、津堅島西の長さ約2キロの海岸から、沖合約6キロまでのエリア。「米軍の使用を妨げない」という条件付きで、漁船や船舶の航行は制限されておらず、モズクの養殖なども盛んだ。

 訓練の際は、米軍が防衛局を通し、市や漁協などの関係者に7日前までに通知することが両政府によって決められている。しかし、地元へ伝えられるのは訓練が「ある」ということだけで、時間や訓練内容は含まれない。実施されるまでパラシュート降下訓練かどうかさえ分からない。

年に3回目撃

 勝連漁協の上原勇行組合長は「訓練の通知があれば立ち入ることができなくなるし、通知がなければ危険。どちらにしても訓練が実施される限り、影響が大きい」と指摘。「何度抗議しても連絡ミスなどが起こる。市民への影響が理解されていないのではないか」と憤る。

 同水域でのパラシュート降下訓練は、SACO合意以降、市が確認できているだけで8回。そのうち、事前通知がないものが1回、日付変更の無通知が1回、日付の連絡ミスが1回あった。

 津堅自治会の玉城盛哲区長によると、パラシュート降下訓練は10年ほど前から年に3回ほど目撃されている。「既に恒常化している。島民も慣れてしまっているが、だからこそ連絡に不備があれば命に関わる」と危惧。「そもそもSACO合意があるはずなのにおかしい。訓練内容も明かされず、納得できない部分がある」と首をかしげる。

「メモ検証を」

 市議会は18日、事前通知の連絡ミスを防衛局に抗議。SACO合意を理由に、同水域でのパラシュート降下訓練の中止を求めた。

 防衛局の池田眞人企画部次長は「5・15メモ」では水陸両用訓練に使用すると記されており、パラシュート降下訓練には触れられていないことから「禁止されているものではない。実施は認められている認識」と述べた。

 市議会はこれまでも、降下訓練の中止を求める決議を5回可決している。「5・15メモで触れられていないから実施してもいいという理屈が通るのか。市民の立場に立っていない」と反発する。

 基地対策特別委員会の喜屋武力委員長は「津堅で訓練があること自体、納得できないのに、連絡ミスや無通知など問題ばかりで、市民の安全に程遠い」と指摘。「政府として5・15メモの検証を見直すべきだ」と話した。

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