小学生のころ両親とパールハーバーへ行ったことがある、と友人が言った。ものすごい体験だったと。この映画を見たことで、彼女が現地で感じたことを少し共有できた気がする。とにかく傷ついた。

「クワイ河に虹をかけた男」

 「泰緬(たいめん)鉄道」、またの名を“死の鉄道”。戦時中、日本軍が物資輸送のために着手したタイとビルマを結ぶ鉄道工事は1万人を超える外国人捕虜の犠牲の上に完成。映画は通訳として従軍し、惨劇に立ち会った永瀬隆氏の贖罪(しょくざい)の人生を追う。

 かつての捕虜の人々に会い、謝罪し怨念渦巻く土地に身を削って尽くし続ける男とその妻。時とともに彼が許されていくほど、彼以外は許されていないと感じる。日本政府の謝罪と補償を求める犠牲者たちにとって、私は死の鉄道を造った日本人の1人で、憎しみを受けるべき1人なのだと。(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場であすから上映予定