「『ごめん』って、ぼくの口はあかないんだ口に力が入って。手に力をいれて書くよ。ごめん」。日本一短い手紙のコンクール「第24回一筆啓上賞」の大賞に選ばれた千葉県野田市の小学2年佐藤蓮君(7)の作品だ

▼親にしかられたのか、友達か兄弟とけんかでもしたのか。悪いと分かっていてもなかなか謝れない葛藤を表現している。しかられて、口を真一文字にして泣き顔になっていた幼き頃の自分の姿と重なった

▼福井県坂井市の小学3年上杉千里さん(9)は「お母さん、ごめんなさい。実は私一番好きなのは、ばぁちゃんなの。」。同市の小学3年大井美羽さん(8)は家族へ「いつもわがままでごめんなさい。でも本当の自分はもっとわがまま。」。ユーモラスな告白も大賞に選ばれた

▼「一筆啓上、火の用心、お仙泣かすな、馬肥やせ」。徳川家康の家臣、本多作左右衛門が陣中から妻に宛てた手紙である。坂井市の丸岡城にこの手紙があることにちなみ、丸岡文化財団が賞を主催する

▼今回のテーマは「ごめんなさい」だった。素直に謝ることは簡単なようで難しい。面と向かうと口ごもる。今だから言える「ごめんなさい」もある

▼ちょっとした口論で疎遠になった友人もいるだろう。率直な思いを伝えてみてはどうだろう。筆者も一文書き添える。「拙い文章で、すみません」(与那原良彦)