今年は酉(とり)年。沖縄県今帰仁村天底の「陶芸工房あみすく」に、飼い主が笛を吹くと駆け寄ってくる賢いニワトリがいる。窯主の宮城春信さん(73)が約1カ月かけて調教した。工房を訪れる人は、陶芸の作品よりも、珍しいニワトリたちの行動にくぎ付けになるという。

宮城春信さん(左)が笛を吹くと、一斉にニワトリたちが駆け寄ってくる=日、今帰仁村天底の「陶芸工房あみすく」

 工房の庭で飼われている約30羽のニワトリは、宮城さんがサッカーの審判用の笛を「ピーピピピ」と独特なリズムで吹くと、小屋から出てきて駆け寄る。先に鈴を付けた木の棒をシャンシャンと振ると、今度は一斉に小屋に戻る。

 もともと犬が好きで、豊見城市の自宅でシェパードを飼っていた宮城さん。一般的な「お手」や「お座り」を犬に教えていたが、ある日ひらめいた。「動物はコミュニケーションが大事。ほかの動物も、ちゃんと向き合えば調教できるかもしれない」

 それ以来、13年前からペットとして飼っていたニワトリの調教を始めた。笛を吹いて餌を与え、食べ終わると鈴を振る。約1カ月繰り返すと、ニワトリたちは音を覚え、駆け寄ったり、小屋に戻ったりするようになった。

 時々、近くの老人ホーム利用者らが工房を見学に来るが、宮城さんは「皆ニワトリの行動を見て驚く。陶芸よりも興味津々なんだよ」と言い、「言葉は通じないけど、素直でかわいい。僕にとって癒やしです」とほほ笑んだ。(北部報道部・西江千尋)