名護城公園の一角で、帆かけサバニの建造が進んでいる。見学大歓迎。伝統の舟造りに触れてもらおうと、愛好家のグループ「フーカキサバニ」が企画した。長く海人の相棒として活躍した舟だけあって、あちこちにしまくとぅばの名前が付いている。作業の手を休めて、教えてもらった。(北部報道部・阿部岳)

サバニの公開造船に関わる(左から)森洋治さん、武林多加志さん、長嶺誠さん、満名匠吾さん=日、名護城公園せせらぎ広場

 建造の中心になっているのは長嶺誠さん(35)=南城市。石垣市の船大工、新城康弘さんの下に通い、技術を学んできた。用語も石垣仕込みだ。

 舟のへさきは「ヒーサキ」、船尾は「とも」がなまったとみられる「トゥム」。そこまでは分かる気がするが、舟底は「カーラ」と呼ぶ。なぜか。

 サバニは建造の過程でひっくり返して作業する特徴がある。上になった舟底は屋根のように見える。「瓦」から来たのではないか、という。

 各部に呼び名があるのは、それだけ多くの人が関わってきたからだと長嶺さんは考える。「細部にこだわり、文化が成熟してきたことの証し」と話す。

 フーカキサバニ代表の森洋治さん(58)がよく言う言葉がある。「サバニに乗り、補修していると、なぜこの部品がこの形で、ここにないといけないのかが分かってくる。かっこよく言えば、昔の海人と対話しているみたい」

 今回の舟造りを任され、長嶺さんも「何百年と続いてきた歴史」に触れている。石垣のサバニは四角い竹製のくぎで板をつなぐが、糸満のサバニはくぎが丸い。それぞれに理由があるはずだ。考えれば考えるほど、「地味な作業も楽しい」という。

 作業を助ける武林多加志さん(56)は糸満市在住。船大工の仕事を間近で見る機会に恵まれてきた。地域によってサバニの造りが違えば言葉も違う。「エーク(かい)は必ずウエークと言わないと怒られる」と笑う。

 サバニ自体、語源ははっきりしない。「スブニ(素舟)」説、「サバ」と呼ぶフカの漁に使ったことから「サバブニ」という説。作業に関わるみんなでお昼を食べながら、話が弾む。 「みんな自分の説を自信満々に言うから、ますます分からない」と大笑い。