東京大空襲・戦災資料センター(早乙女勝元館長)の次世代継承研究会の11人が28日、沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館(島袋淑子館長)を訪れ、戦争を知らない世代が戦争体験を継承していく在り方について意見交換した。(南部報道部・天久仁)

ひめゆり平和祈念資料館の説明員(右端)から展示物の説明を受ける東京大空襲の体験者ら=28日、糸満市の同資料館

 東京大空襲の体験者もメンバーにいる同研究会が、同資料館を訪れて交流するのは初めて。研究会の小薗崇明世話人代表(38)は交流後、「体験者から学び、吸収することが、戦争体験を次世代に伝える大事な手掛かりだと感じた」と話した。戦災資料センターでも東京大空襲当時を証言する体験者が高齢化し、2015年に発足した同研究会を中心に若い世代が体験を受け継ぐ取り組みを進めている。

 交流では資料館説明員の仲田晃子さん(40)が、元ひめゆり学徒隊の上原当美子さん(89)の体験を、聞き取りを基にした語りと、上原さんの証言を収録した映像で紹介。けがで動けなくなった友人を救えなかった過去を「生きて良かったのか、死んだ方が良かったんじゃないか、との思いに駆られた」と代弁した。

 仲田さんは非体験者による語り部について「体験者と同じように説明できなくても、体験者の知恵や工夫、活動そのものを聞いて、伝えることができるのではないか」と強調。島袋館長をはじめ、体験者に何度も会い、議論することで人間関係をつくった経験を紹介した。

 東京大空襲体験者の竹内静代さん(85)は「戦争体験をクールに整理して、客観的に伝える姿に感心した」と目頭を熱くした。「体験者と一緒につくり上げた証言には深みがあり、語ることに意義がある。戦争体験者と若い来館者の中継ぎ役として頑張ってほしい」と期待した。

 小薗世話人代表は「体験者の話を聞くことのできるぎりぎりの時期に、体験者と議論しながら体験を継承する方法が印象に残った。非体験者でも気持ちを伝えることができると思う」と感想を話した。